FinTech

「ブロックチェーン」や「ICO」の成長に見るFinTechの市場と未来へのポテンシャル


FinTech(フィンテック)―—日本でも数年前からよく聞くようになった言葉です。広義の意味ではネット銀行やATMなどのインターネットを通じた取引もFinTech(フィンテック)の一つだと言われています。

もともと金融はIT技術と密接に結びついていました。誰もがインターネットに親しみ、当たり前のようにスマートフォンを使いこなす社会の到来が金融界に新しい風を吹き込み始めています。

FinTech(フィンテック)のポテンシャル

株式会社矢野経済研究所が2017年2月に発表した国内FinTech(フィンテック)市場に関する調査によれば、FinTech(フィンテック)の市場規模は2018年には319億円、2021年には808億円に到達すると試算しています。同研究所によれば、仮想通貨、ブロックチェーン技術の活用した実証実験の事例の増加、金融機関や大手Slerとベンチャー企業との協業、API公開、そして銀行法や資金決済法の改正が今後のFinTech市場の拡大の要因だとしています。

FinTech(フィンテック)市場は、2015年には48億円の市場でした。それが、向こう6年でその市場規模が16倍に拡大する見込みです。それくらいFinTech(フィンテック)業界は未来へのポテンシャルが高い成長分野だと言えるのではないでしょうか。

FinTech(フィンテック)の老舗PayPalが変えた決済分野

目覚ましい発展を遂げているFinTech(フィンテック)市場ですが、FinTech(フィンテック)が発展するきっかけを生んだのは、2008年秋のリーマン・ショックだと言われています。従来の金融に失望した投資家やトレーダーなどの人々が、専門的なノウハウにIT技術を取り入れた新しいサービスを生み出そうとさまざまな取り組みを始めました。そうした動きを一挙に加速したのがスマートフォン革命の勃発だったというわけです。

FinTech(フィンテック)の老舗として知られている米国のPayPalは、携帯電話などのモバイル端末を使った手軽な決済システムが市場に受け入れられ、今や世界で1億5,000万人以上の人が利用しています。またPayPalは、決済サービスから得られる豊富な経営情報を活かし、販売促進を支援したり、小口融資を仲介したり、別分野へも事業を発展させました。PayPalの創業者はのちにYouTube、テスラ・モーターズ、LinkedInなどFinTech(フィンテック)だけではなくインターネットを介したさまざまなサービスを生み出すことに成功しています。

FinTech(フィンテック)の本丸「ブロックチェーン技術」

そうした中で、FinTech(フィンテック)の本丸だと言われているのが、仮想通貨「ビットコイン」の基盤技術として知られている「ブロックチェーン」という取引管理の技術です。その最大の特徴は「取引記録が公開されている」という点です。Aという口座からBという口座にビットコインが送られた場合、その記録は誰もが使える無料のソフトウェアによって世界中に公開されます。ただし、AやBの口座が誰のものなのかは、当事者以外は知ることができません。あくまでも「取引の記録」だけが公開されているのです。公開された記録は、その内容を消そうとしたり、改ざんしようとしたりすることは事実上不可能になります。

こうした「ブロックチェーン技術」の応用は、仮想通貨に限られるわけではなく、不動産登記や遺言信託、弁護士との書類のやり取りなど、第三者の証明が必要な記録などでも応用されています。今後もブロックチェーンの技術はさまざまな分野で応用されることが予想されます。注目出来る分野の一つではないでしょうか。

FinTech(フィンテック)の新しい調達の形 ICO

また、仮想通貨の分野でも新しい動きが起きています。株式公開をしなくても仮想通貨で資金調達ができる「ICO(Initial Coin Offering)」に注目が集まっています。2017年9月13日には日本初ブロックチェーンを活用した非広告依存型のソーシャルメディアの「ALIS」がICOによる公開後12日で11,666ETH(約3.8億円)を調達したと発表されました。株式公開(IPO)やベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの調達等に比べて、低コストで資金調達ができるのがICOの特徴だと言われています。

ICOを行うにはホワイトペーパーと呼ばれる事業概要や詳細をインターネット上に公開し、そのホワイトペーパーを読んで応援したいと思った投資家は仮想通貨を通じて投資を行います。そのため、世界中の人から資金調達を行うチャンスが得られます。

ICOを行うにあたって、資金調達を行う企業は独自のコインを発行し、投資家は仮想通貨を通じて投資を行います。企業はその後仮想通貨の取引所でコインを売却して資金調達を行います。ICOは議決権、配当権、サービス内で使えるコインなどの権利が与えられる場合もあります。

もちろん、ICOを実施しても必ず目標額に到達するわけではありません。加えて、ICOによる資金調達が行えたとしても、投機的要素が高ければすぐに価格が下落してしまう可能性もあります。ただし、今まで資金調達をしたくてもコストの負担が大きいので資金調達ができなかったという企業や個人にとっても、資金調達がしやすくなると言われるICOは新しい資金調達の方法として注目してみても良いのではないでしょうか。

このように、FinTech(フィンテック)はさまざまなサービスにカタチを変えて、私たちの生活をより豊かにしようとしています。FinTech(フィンテック)は今までとは異なる判断基準や価値基準を生み出そうとしているのかもしれません。今後の動きにも注目してみてはいかがでしょうか。

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