移住者が語る アメリカに住むなら覚えておきたいクレジットヒストリー


日本に住んでいるとなかなか海外との違いには気がつかないかもしれません。しかし、実は言葉や生活様式、人の性格だけでなく、お金の考え方にも違いがあることをご存じでしょうか。海外旅行では気づきにくいお金の考え方について、実際にアメリカに移住しているAさんにご自身の経験をお聞きしました。

アメリカでは効果がない衝撃 日本のクレジットヒストリー

私はアメリカに移住してかれこれ30年になります。移住した当初は文化や言葉、生活様式について戸惑うことはありましたが、何といってもお金の考え方について驚きました。日本では「クレジットヒストリー」という言葉をあまり聞くことはありませんでした。しかし、アメリカでは、このクレジットヒストリーが大きな存在でした。アメリカでいうクレジットヒストリーとはアメリカで現地通貨米ドル建てのクレジットカードを発行してもらう際に金融機関が調べる信用履歴のことを指します。

自動車や家のローンを組む時、賃貸住宅に入居する時、また融資を申し込む時、果ては身近な携帯電話の新規契約時にまで、「この人にお金を貸して大丈夫か」「ちゃんと毎月、利用料を支払ってくれるか」を確かめるため、銀行や通信会社や大家はクレジットヒストリーを使ってその信用度を確認します。

困ったのは日本での信用は現地では役に立たないことです。アメリカに移り住めば日本でどれだけ年収が高く信用実績があっても、まるで高校を卒業したばかりの若者のように一からクレジットヒストリーを自ら築いていかなければならないのです。

信頼を積み重ねてクレジットスコアをあげる

移住した後も日本で発行されたクレジットカードを使っている人もいるようです。もちろん、日本で発行されたクレジットカードをアメリカでも使うことは可能です。しかし、短期出張や旅行とは違って現地に住み着いてドル建てで給与が支払われるような身分の変更があると、日本で発行されたクレジットカードは実用的ではなくなってしまいます。なぜなら、円高や円安による為替リスクはもとより、不利な為替レート、店舗やカード会社に徴収される為替手数料もバカにならないからです。

そこでアメリカの金融機関にドル建てのクレジットカード発行を申し込むことになるのですが、日本での収入や支払いの信用履歴はあくまでアメリカからみれば「外国」での実績です。アメリカでの実績がない申し込みは弾かれてしまうので、賃貸住宅や携帯電話の契約でも多額の預り金を要求されることがあります。

日本ではそれなりに収入があり、ゴールドカードまで持っていた30年前の私もそうでした。そこで一計を案じました。移住先が日系企業の多いハワイだったため、ある日系銀行の現地法人に事情を説明する「泣き落とし」の書簡をしたため、毎月のカード利用限度額500ドルからヒストリー作りを始めたのです。

ここで大切なのは、限度額を超えない範囲で計画的に利用して、毎月の請求書が送られてきたらすぐに全額を支払うこと。期限に遅れてはいけません。きちんと返済し続けることが出来れば、支払い実績の成績である「クレジットスコア(信用度)」が上がり、それに合わせて利用限度額も自動的に上がっていきます。アメリカで発行されたクレジットカードの利用可能額が生活に十分な利用限度額になるまで不便ですが、日本発行のカードを併用して切り抜けました。

セキュアドカードから始めるのも手

以上が私の「苦労話」ですが、今はもう少し手軽にクレジットヒストリーを築く方法があります。それは、「セキュアドカード(secured credit card)」と呼ばれる低信用者向けの高金利クレジットカードを発行してもらう方法です。

セキュアドカードには数百ドルから数千ドルの預り金が必要なものが多く、最初は不便を感じるくらい低い利用限度額が設定されるようです。計画的に利用し、請求額は必ずすぐに全額を返済。これで期限内に返済したというヒストリーができれば、クレジットスコアも上がっていくはずです。半年から一年も経てば、晴れて通常の低金利クレジットカードの申請ができるようになります。

ただし、ここで注意が必要です。クレジットヒストリーを築いてスコアも上がると、今度は有力なメガバンクから地元のローカル銀行まで、「ぜひ、うちでより低金利で、より高い利用限度額のクレジットカードを作ってください」と勧誘する郵便物が毎日のように届くことがあります。

これに気をよくしてカードを作り過ぎたり、返済能力以上の借り入れをすると収支バランスが崩れてしまうので、注意が必要です。クレジットヒストリーを積み上げることは大切だとは言え、身の丈にあった使い方をすることが大切だと思っています。以上が、アメリカに移住している私の体験談です。将来アメリカに住みたいと思う人がいるなら、クレジットヒストリーについて予め考えておくのが良いかもしれません。

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