これからは当たり前!?米国では盛んなクレジットスコア


2018年、日本でも信用経済という言葉が盛んにいわれるようになりました。それに伴い、他国の信用経済の状況についても、情報を目にする機会が多くなったという人もいるのではないでしょうか。キャッシュレス社会の波が徐々に訪れようとしている日本では、今後クレジットカード決済が増える可能性もあります。そこで、日本より先を行っているアメリカのクレジットスコアについて考えてみましょう。

クレジットスコアは信用度合いの点数

米国はクレジットカードによる決済が主流になっています。そのため、クレジットスコアは日本よりも馴染みのあるものだと認識されています。個人がクレジットカードを作るとき、お金を借りるときに、カード会社や金融機関が審査を行います。その基本になるのが個人信用情報で、住所、氏名や電話番号などの基本的属性から、借入金残高、クレジットカード使用状況、返済・支払の状況などが含まれます。

クレジットスコアは、これら個人の資金状況をひとつの点数で表すものです。米国にはこれを算出する会社がいくつもありますが、広く利用されているのはFICOスコアです。フェア・アイザック社(Fair Isaac Corp.)が算出するもので、同社はカリフォルニア州に本社を置き、広く世界に展開しています。

この1956年設立の老舗システム開発会社の沿革を見ると、最初のFICOスコアを発表したのは1981年だとしています。1991年には米国の3大信用調査機関(Equifax、Trans Union、Experian)がFICOスコアを採用、この時期に信用スコアの標準となり、普及が始まったと考えられます。現在では米国の大手金融機関の大半がFICOスコアを利用しているといいます。

FICOスコアは5つの要素で採点

スコアの算出には5つの要素を使います。最もウエイトが大きいのは返済履歴(35%)と借入残高・利用率(30%)で、この他に、信用履歴の長さ(15%)、利用しているクレジットの種類・構成と新規クレジットがともに10%です。性別や年齢、住所、収入、勤務先などの個人情報は使いません。

つまり、ちゃんと支払期日を守っているか、借り過ぎていないか、クレジット利用経験はどのくらいかなどを踏まえ、信用力を点数化するわけです。

FICOスコアには特定用途向けもありますが、一般に使われる基本スコアは300~850点の範囲で、760点以上なら最優良のexcellent、725点以上はvery good、660点以上はgoodで、ここまでがプライム層、これに満たないのがサブプライム層とされています。そう、2008年のリーマンショックの原因になったサブプライム・ローンは、FICOスコアでいえば660点に満たない信用力の低い人への貸付金だったのです。

FICO以外の有名なスコア

FICOの次に米国でよく知られているクレジットスコアはVantagescoreです。評価する方法が異なっているため、スコア自体は別の数値が出てきます。FICOスコアとほぼ連動する、つまり、ふたりの人を比べた場合、スコアの高低が大きく逆転することはないといわれています。また、VantageスコアはFICOスコアに比べて高めに出ることもあるようです。

ただし、ローンを行うときには注意が必要です。申請前には現在のスコアを必ず確認するようにしましょう。確認せずに申請すると、思ったほどの借入が出来ない場合もあるかもしれません。

日常生活にもスコアが影響

このような金融関連の取引や契約に限らず、クレジットスコアの高低は日常生活にも影響します。電気やガス、借家などの新規契約時にもこのスコアがものをいいます。スコアが低いと多額のデポジットを要求され、あるいは契約を断られる可能性があります。また、転職・就職の際や病院にかかるときの信用力チェックに利用されることもあります。

ただ、自分で意識をすれば、クレジットスコアも上がる可能性があります。借入残高や支払状況など、算出に使われる要素を改善すればよいのです。最も有効なのは、支払期日をきちんと守り、借入残高を減らしていくことです。手元に資金があれば一旦まとめて返済するのも一案です。

複数の金融機関やクレジットカードを利用していて残高が偏っている場合は、分散させて限度額に対する借入比率を全体で下げるようにします。あとは地道に利用期間を積み上げればスコアは徐々に上がっていきます。キャッシュでの支払いはスコアに影響しないので、スコアを良くするには適度にクレジットを利用する必要があります。

逆にスコアが下がるのは、支払いの遅延・停止、家・車の差し押さえ、裁判などで何らかの支払義務が生じるなどの場合です。また、短期間にいくつものローンやカードを申し込むと、資金繰りに窮していると見なされ、スコアに響きます。

支払いに関しては、直接の相手に対してだけでなく、公共料金や税金、医療費などの支払状況も含まれます。いくら良いクレジットスコアを持っていても、1回の支払い遅延で大きく下がってしまうことがあるので注意が必要です。とくに差し押さえや支払判決はその記録が長く残るので、スコアを上げるのが難しくなります。

クレジットスコアを意識し、自分の身の丈にあった利用を

このように米国ではクレジットスコアがまるで人格の一部として見なされています。日本でも、今後はこういったクレジットスコアを意識する流れが訪れるかもしれません。現在のお金の使い方はもちろんのこと、収支や今後に至るまで、自分のお金をしっかり把握、管理しておくことが重要となりそうです。

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