ディープフェイクとは?問題と対策を解説


テクノロジーの進化が社会に弊害をもたらすこともあります。「ディープフェイク問題」はその一つです。ある人物が実際にはそんなことを話していないのに、あたかも現実に話しているかのような動画を作成する……そんな被害が海外で出始めています。今回は世界で起こっているフェイクニュースやディープフェイク問題の対策などについて解説します。

そもそもディープフェイクとは?

ディープフェイクとは簡単に言えば、SNSなどで拡散される「動画のフェイクニュース」のことを指します。動画の加工技術や音声加工技術を悪用し、ある人物がさも本当にカメラに向かって話をしているように映像を捏造するのです。

2019年6月には米Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏のフェイク動画がインターネット上で出回りディープフェイク問題が世界的により大きく注目されることになりました。日本でも著名人のディープフェイク動画が既に確認されており、既に対岸の火事という状況ではありません。

ディープフェイク動画は、既に人の目ではその真偽が判別しにくいレベルに達しており、AI(人工知能)によってディープフェイク動画かどうかを見分ける技術を開発している研究者もいます。AIに多くのディープフェイク動画を学習させ、その特徴に合致する動画をディープフェイク動画と判断させるのです。

動画を観る側も、怪しいを感じる動画は鵜呑みにせず、SNSでシェアしないことなどが求められます。

米議会を震撼させたフェイク動画、公聴会も

このディープフェイクは、2019年5月にアメリカの議会でも大きな問題となりました。下院議長の演説を改変したフェイク動画がSNSなどを通じて広く拡散され、2019年6月にはディープフェイクなどに関する公聴会が下院の情報委員会で開催されています。

2020年11月にはアメリカでトランプ氏が再選を目指す米大統領選挙が開催されるため、ディープフェイク問題に対する懸念はより一層高まっています。

ディープフェイク動画はFacebookなどのSNSを通じて拡散するため、Facebook側は1,000万ドル(約10億7,000万円)を投じてディープフェイク対策の研究を進めることを2019年9月に発表しています 。コンピュータ大手の米マイクロソフトと協力しながら進めることも明らかになり、将来的にFacebook上で何らかの対策が実装されることも考えられるでしょう。

Facebookと同様にSNS大手のツイッターも、ディープフェイク対策に乗り出しています。2020年2月の発表によれば、ディープフェイクと考えられる動画に警告ラベル(日本語では「操作されたメディア」というラベル)をつけ、ユーザーの安易なシェアを抑制することを試みています。

個人が攻撃対象となる可能性も

ディープフェイク動画のレベルが今後さらに上がれば、その動画が本物かどうかを見分けることはさらに難しくなります。前述のAI技術に期待したいところですが、決して楽観できない状況となっています。

そしてこうしたディープフェイクでは、個人が攻撃対象となる可能性も十分あります。このような標的となってしまったとき私たちはどのような対策をとれば良いのでしょうか。その動画がニセモノだとSNSで主張することはもちろん可能です。しかしいったんアップされてしまったフェイク動画の拡散は簡単には止めることはできません。

個人でディープフェイク対策を行うには限界があるため、国やSNS運営事業者を巻き込んだ対策の検討が今後より一層必要になると言えるでしょう。

Photo by panuwat on AdobeStock.com

 
【この記事を読んだあなたにオススメ】
・「次来る」テクノロジーが出展される米国一大イベントSXSWとは?
・ルワンダが中国・深センよりも次世代イノベーションの拠点となる!?
・指紋・顔の次は汗認証?バイオメトリクス技術の今後とは
・アフターデジタルとは?リアル店舗の価値を再定義する
・イノベイティブなビジネスマインドを開発する5つの方法