ペットサービスにテクノロジー!ペットテックビジネスに注目


「バウリンガル」という、犬の泣き声を人間の言葉に翻訳してくれるおもちゃを覚えていますか?。2002年に発売された「バウリンガル」は約半年で30万台を売り上げ、アメリカの雑誌『TIME』が「2002年世界でもっとも優れた発明品」のひとつに選ぶほどの人気商品でした。

当時、バウリンガルのカテゴリーは「おもちゃ」で、犬の気持ちを人間の言葉に翻訳するということが現実味のない「娯楽」だったのです。しかし、今は少し事情が違ってきています。拡大を続けるペットビジネスに最新テクノロジーが使われるようになり、ペットテックと呼ばれるサービスが登場しています。ペットとテクノロジーが共存する未来はどのようなものなのでしょうか。

ペットにかける金額は右肩上がり

飼い主がペットのために使うお金は年々増加してています。2018年度の日本におけるペットビジネスの市場規模は約1兆5千億円でした。ただ、金額の増加に反してペットの飼育頭数は微減傾向にあるようです。つまり、ペット1頭にかけるお金が増えているのです。

この変化の背景には、少子化と世帯数あたりの人数の減少があります。世帯あたりの人数が減り、これまで子どもや家族にかけていたお金がペットに使われるようになったのです。実際、ペットのデンタルケアやオーラルケアなど、これまであまり注目されてこなかった分野にも需要が生まれ、市場が広がりつつあります。

視点を世界にまで広げると、ペットビジネスの市場規模はさらに大きくなります。アメリカにおけるペットビジネスの市場規模は約8兆円と日本の5倍以上。ペットビジネスは大きな産業のひとつです。また、ペットビジネスは世界各地で成長する見込みで、2025年には全世界のペット市場は22兆円になると予測されています。

ペットテック最前線、アメリカで人気のサービスとは?

世界的に市場を広げつつあるペットビジネスのなかでも新しいサービスとして注目を集めているのがペットテックです。ペット先進国といわれるアメリカでどのようなペットテックのサービスが行われているのかを紹介します。

ペット用のアプリやデバイス

最初に紹介するのは、ペット用のアプリやデバイスです。特に人間が不在の時に、ペットに不快な思いをさせないようなサービスが注目されています。たとえば、首輪につけるデバイスである「Whistle」は、ペットの活動量を管理して、散歩が足りているかを判断することができます。人間でいうウェアラブルデバイスが、ペットの領域にも広がっているのです。

ペットの食事もパーソナル化

もう1つ注目されているのは、ペットフードです。アメリカでは、健康ブームがペットにまで広がってきています。ペットの食事に対しても健康志向が強く、成分などに敏感になっている消費者が多いのです。

そういった中に人気なのは、ペットの特徴を伝えておくと最適な食事が提供されるサブスクリプションサービです。たとえば、アメリカの「NomNomNow」は、ペットのプロフィールをもとに、幾つかのレシピを提案し、毎月届けるようなサービスになります。一食3ドル~と使いやすいのも特徴でしょう。他にも、「PetPlate」「Olie」などが同様のサービスを提供しています。

人間用のサービスがペットに広がる

対人間で発達したサービスが、ペットに対して広がるケースは食品だけに留まりません。たとえば、散歩をさせたい飼い主と、散歩をしてくれる人をマッチングするサービスは、まさにペット界の「Uber」と言えるでしょう。「Wag!」や「Rover」はその代表的なもので、AIでドッグシッターと飼い主を結びつけるサービスになります。タクシーと人をマッチさせるUberの犬版と言えるでしょう。今後も、人間向けに成功したサービスが、ペット向けにカスタマイズされていくのかも知れません。

日本でもペットテックは盛り上がるのか?!

世界的なペットビジネスの盛り上がりを受けて、日本でもペットテックが広がりつつあります。株式会社ラングレスは、心拍変動を解析して犬の感情を「リラックス、ドキドキ、ストレス、ハッピー、興味」の5つに分類するHRVシステムを開発し、その技術を使った「イヌパシー」というデバイスの販売を始めています。「イヌパシー」だけでなく、今後は日本からも新しいプロダクトやサービスが発信されていくでしょう。

成長が見込まれるペットテックビジネスに注目

少子高齢化が進む日本では、対人サービスは成長の限界がどうしても見えてしまいます。逆にペットビジネスは、ペットテックをはじめとして、まだまだ伸びる可能性を感じる市場です。実際に政府統計の「家計調査」の家計収支編を調べると、「他の愛玩動物関連サービス」という項目が2015年から登場して、2018年まで少しずつですが金額が増えています。

今はまだ犬語翻訳機が夢のアイテムかもしれませんが、技術の開発は着実に進んでいます。今後のペットテックビジネスにしっかりとアンテナを広げて情報を集めておいて損はありません。

Photo by Eva on AdobeStock.com

 
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