人工肉だけじゃない?ここまで進んだフードテック


「人工肉」という言葉をご存じでしょうか。人工肉は植物性タンパク質などから人工的に肉を作ることをいい世界各国で浸透しつつあります。大手ファーストフードチェーン店が人工肉を動物性の肉の代わりに使うことを検討しており今後さらに市場が広がっていくかもしれません。しかしこういった食のテクノロジー化は、人工肉以外にも広がりを見せています。今回はフードテックと呼ばれる食のテクノロジー活用の最前線に迫ります。

注目が高まるフードテック

近年注目を浴びているのが食分野のイノベーションといわれる「フードテック」です。テクノロジーを活用することでこれまでアナログだった食の分野に新しい風を起こそうとしています。フードテックが注目を浴びている理由は、食に関する社会問題が顕在化しつつあるからです。先進国では肥満になる人が多い一方で食べるものに困っている貧困層も存在します。

また今後人口増加によって食糧問題が起きる可能性もあるでしょう。食の生産が引き起こす海洋資源の絶滅や森林の破壊、それに伴う地球温暖化などの環境問題も見逃すわけにはいきません。フードテックが注目されるもう一つの理由は700兆円にも達するといわれている市場規模の大きさです。フードテックビジネスは魅力にあふれているため、世界中の企業がビジネスチャンスをうかがっています。

人工肉だけじゃない?最先端のフードテックビジネスを紹介

フードテックの分野で最も注目を集めているのは「ビヨンド・ミート」と呼ばれる人工肉です。植物から作られる人工肉で大手スーパーやファーストフードチェーンでも人工肉が採用されています。しかしフードテックは人工肉だけではありません。具体的にどのようなものがあるか、最先端のフードテックを紹介します。

虫を食べる?「昆虫食」

食べ物として注目が集まっているのが「昆虫」です。見た目から食用としては敬遠されがちな昆虫ですが、栄養素が豊富かつ牛や豚に比べて生育コストが小さいというメリットがあります。日本でも一部の地方では昆虫を食べる習慣があるように実はなじみの深い食材なのです。イスラエルのスタートアップであるHargol FoodTechは、バッタをプロテインパウダーに加工し販売しています。粉末状にするため見た目で嫌悪感を覚えることもなく栄養価の高い昆虫を気にしないで口にすることが可能です。

食べ物が自動的に作られる「3Dプリンタ食」

製造業で注目を浴びている3Dプリンタが、食の分野にも進出するかもしれません。スペインのFOODINIという会社は、3Dプリンタを使ってクッキーなどを作っています。ペースト状にした材料を入れるだけで風味や色などを調整して食べ物を作ることができ途中の工程を省略できることはメリットです。

これさえ食べていれば安心な「完全食」

日ごろから栄養バランスの良い食事を摂るためにさまざまな食材を口にします。これは実はとてもぜいたくなことです。しかし近い将来一つの食材のみで栄養を満たせるようになるかもしれません。日本のベンチャー企業が開発した「BASE FOOD」は、26種類のビタミンやミネラルなどを主食(パスタやパン)のみで摂ることができる「完全栄養食」です。

現代人の栄養バランス改善はもちろん飢餓対策などにもなる食べ物として期待されています。

今後の食の未来はどうなる?

このように食のテクノロジー化が進むと一体未来はどのように変化していくのでしょうか。例えば昔ながらの食材が「ぜいたく品」になってしまう可能性もありえるでしょう。フードテックが人類に大きく貢献することは間違いありません。しかし人工肉や人工野菜が当たり前になると昔ながらの天然の食材は相対的に手に入りにくくなります。

そうすると刺身や焼き肉などが手の届かない嗜好品になる可能性があるのです。

今後は人工食が当たり前になってくる?

人工肉だけでなくテクノロジーベースのフードの進化はとまりません。これからもこのようなテクノロジーフードがどんどん生まれてくるでしょう。テクノロジーの進化により栄養面や経済面での好影響もありそうです。人間が生きるために欠かせない「食」がテクノロジーによってどこまで変わるのか、注目したいですね。

Photo by tommaso79&Lilly Trott on Shutterstock.com

 
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