和田浩一

【インタビュー】和田 浩一さんに聞く「あなたのターニングポイントは」VOL.1


――人には、自分だけの物語がある――

人には数え切れないほどの可能性があります。
夜空に無数にある星の中でひときわ煌めく星のように、自分の可能性を信じ、夢に向かって一歩踏み出し、輝き続けている人の原点やターニングポイントはどのようなものなのでしょうか。
今回は和田浩一さん。彼の物語とは?

劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)に込められた意味

個性をいかした花材選びと、独自のデザインセンスが各界から高い評価を得ているフラワーアーティストの和田浩一さん。TVやCM、ミュージックビデオなどで装花を手がける一方、これまでにかかわってきたウェディングフラワーは1万件以上にも及びます。

――会社名、『劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)』はどのような気持ちを込めて名づけられたのでしょうか。

ただ単にお花を届けるのではなく、「お花の先にあるもの」を伝えたい・届けたい。贈る人と贈られる人、その間を取り持つ存在のお花を、と。そこで、『劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)』という名前をつけました。なんでもない日常の暮らしの中でも、花が一輪そこにあるだけで素敵な日常になります。花は咲いている時間は一瞬でずっと残るわけではありません、ですから、その一瞬を記憶に残していただけるように美しく飾ってあげたいと思うんです。

お花をきっかけにして過去の素敵な記憶が呼び起こされる時、その頃の自分に戻ったように感じられるものです。大切な人から贈られたお花やその時にかけられた言葉、いつまでも心に残る季節、そうした人生の想い出が最高に輝くように……と願い、作品を作っています。会社のロゴにはそんな意味を込めています。


©︎dramaticflowers

――素敵な意味をお持ちなのですね。ちなみに、ご存じない方のために教えてください。フラワーアーティストという職業は、どのようなお仕事でしょうか。

お花を用いて創造する人、お花のトータルコーディネーターです。例えば、ウェディングフラワーのご依頼の時は、まず軽いインタビューを行い、先方がどんなものを求めているのか、どんなファッションが好みなのか、どんな色が好きなのかなどを細かくリサーチし、その方に合った全体的なデザインを考案していきます。装飾に使う花器の下ごしらえや、会場全体での見え方、バランスを考えるのも仕事のうちの一つです。

――現在は具体的にどのような活動をされていますか。

広告媒体やウェディングを中心にさまざまなシーンでも対応できるお仕事をさせていただいています。また、『劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)』のアトリエでも、ご依頼いただいた花づくりや撮影を行ったりしています。最初はウェディングの請負が多かったのですが、徐々に活動の幅が広がっていきました。TV、CM、ミュージックビデオなどを中心として、いろいろ広がっています。

――さまざまな媒体でのご活躍ですが、肝に命じていることはありますか。

クライアント様に寄り添うことです。それは当たり前のことかもしれませんが、クライアント様のご意向をきちんと受け止め、自分の中に落とし込む作業を入念なく行います。その上で自分なりの味つけをしています。私の持ち味は色彩とディテールにまでこだわるきめ細やかさです。その意識は常にもっています。いろいろなフラワーアーティストがいる中で私に声をかけてくださるということは、私ならではのものに期待してくださっていると考えていますので、その期待には応えたいですし、想定以上の喜びを感じていただきたいと思っています。

「広告媒体」「オーダーメイドフラワー」「ウェディングフォト」「ウェディングブーケ」心にある想いが原動力

――CMなどで、和田さんの作品をよく拝見します。見るたびにはっと息を飲むくらいにとても綺麗だなぁと思います。和田さんのアトリエでは常にお花がたくさんあるんでしょうか。

実は、普段は私のアトリエには生のお花は一切ありません。というのも、うちのお店はご注文をいただいてからお花を仕入れる完全オーダーメイド方式を取っているからです。理由はいくつかあります。一つ目には一番新鮮なお花を届けたいという気持ち。もう一つは、お花のロスを出したくないという想いです。お花を無駄に捨てたくないし、適正な価格でみなさんに届けたいと考えています。こういった販売方法のおかげか「お花が1ヶ月以上持ちました」と言っていただけることもあります。

私はお花の仕入れには一番時間をかけます。市場に行き、自分の目でお花を選びます。それがこだわり。花は人間と同じ生き物です。人間が家族でも顔が違うように、お花も同一品種の中で表情や色ののり具合が微妙に違います。それは生産地によってもかわってきます。だからこそ1本1本自分の目で必ず確認してお花を選んでいます。


『劇的フォトウェディング』 ©︎dramaticflowers

――アトリエでは自社運営のサービスもされているとお伺いしました。

普段はアトリエで自社運営のフォトウェディングサービスやウェディングブーケの製作をしています。フォトウェディングサービスを始めた理由は、プライベートなウェディングサービスを提供したかったからです。お花が好きな花嫁さんのために、余すことなくお花を使ってご満足いただける結婚写真を撮ることが目的です。
一方のウェディングブーケ製作についてですが、このサービスでは、実は造花を取り入れています。なぜ造花と思われる方もいるでしょう。私も最初はそうでした。 ただ実際に造花のウェディングブーケの製作をしてみると、たくさんのメリットがあることに気づきました。昨今、海外挙式をするカップルが増えていますが、造花であれば日本からブーケを持参できます。また、記念品として残したいというニーズにも応えられます。Something Oldとして将来自分の子どもが結婚する時にそのウェディングブーケを使ってもらうこともできるのです。造花ブーケは、ウェディングシーンに新たな価値観をもたらしてくれています。


造花ブーケの劇的花屋 ©︎dramaticflowers

――生きたお花も造花もどちらもされるというのは凄いですね。生きたお花を生業にする方には造花をお好きではないと思う方もいらっしゃるようですが。

私はそういった先入観を取り払いました。今ではケースバイケースで使い分けています。ウェディングブーケに当てはめれば、枯れる心配がない・軽いというのは花嫁さんにとって大きな味方です。製作側からの視点では、お花の選択肢が増えるという喜びがあります。

お花のデリバリースタッフで入った私に店長がおっしゃった「みんなと一緒に花を挿してみないか」

―−話を遮ります。この業界でお仕事を始めたのは大学生の頃とお聞きしました。小さい頃からお花がお好きだったのでしょうか。

いえいえ、お花にはほとんど興味はありませんでした。当時、大学生だった私は学校にもろくに通わず、アルバイトばかりする日々でした。それで、新しいバイト先を探していた時に、お花のデリバリースタッフ募集という広告を見つけました。デリバリーといえば、配送業。普通は引越し業者や宅配業などの重い荷物を連想してしまうじゃないですか。でも、これはお花。軽くてラクそうだなと思って、物珍しさもあり、応募しました。

――どちらのお花屋さんで働かれたのですか。

職場は永田町のキャピトル東急ホテル内のお店でした。アルバイトの条件として「8月の1ヶ月間、アルバイトはお休みですよ」というものがありました。お花屋さんは8月が閑散期になるので、その間はお休みと。だから、8月の1ヶ月間は別のバイトをして、9月に約束どおりお店に戻りました。お店の人たちは、みんな私が9月に戻ってくるとは思っていなかったようで、驚いたり、笑ったりしていました。今振り返れば、私もよく戻ったなぁと思います。結局、職場の皆さんが良い人達ばかりだったんですね。それが大きかったのでしょう。また一緒に働きたいと思えたことが。

お花のデリバリーは毎日数十件とあるわけではありません。デリバリーがない時は、ほうきをもって立っていました。そんな私を見るに見かねて上司がこうおっしゃったんです。

「和田君、ただそうしていても時間がもったいないことだし、みんなと一緒に花を挿してみないか?」

Vol.2ではフラワーアーティストへの道に進む和田さんに迫ります。和田さんは下積み時代、何を思っていたのでしょうか。

 

和田 浩一
1968年東京生まれ。20歳の時より花業に従事。ウェスティンホテル東京開業時より13年にわたりウェディングやパーティー・イベント等のフラワーデコレーションを多数手掛ける。レストランウェディングに主眼を置いたフリーランスの期間を経て、独自の世界観をあらわしたコンセプト花屋『劇的花屋|ドラマ ティックフラワーズ』を設立。以降、CMや雑誌の撮影・イベント・パーティー等、「花」と「植物」を使った空間プロデュースを提供している。

資格 オランダウェラントカレッジ認定ヨーロピアンフローリストリー修了/同オランダ大使館特別賞受賞

主な実績 CM『カネボウ化粧品 エビータ』/ミュージックビデオMACO『恋心』/JA共済 迎春新聞広告/KOSE 雪肌精 MYV ブランドムービー/ウテナ90周年プレゼントキャンペーン プロデュース

<外部リンク>
オフィシャルHP http://www.dramaticflowers.jp/
造花ブーケの劇的花屋 https://39360.jp
劇的フォトウェディング http://www.dramaticflowers.jp/wedding/
Twitter https://twitter.com/dramaticflowers
Facebook https://www.facebook.com/dramaticflowers/
Instagram https://www.instagram.com/dramatic_wedding/