【インタビュー】ビジネスパートナーの見つけ方とは 栗田雅裕さん


植物に対して多くの愛情を注ぎ、世の中に世界中の美しい植物を広めるBANKS Collectionの杉山拓巳さん。杉山さんの活躍の裏側には彼を支えるパートナーがいました。それが、同社の代表取締役CEOを務める栗田雅裕さんです。栗田さんはどうして杉山さんの夢をフォローし続けているのでしょうか。今回は特別に栗田さんからもお話をお聞きしました。

――栗田さんはいくつもの会社を立ち上げて経営をし、実績も残されています。杉山さんに会いにいった目的も、なにかプランがあったからなのでしょうか。

彼に会いにいったのは、こういった植物を育てておられるということを聞いていたからです。どういう人だろうと思ったんですね。もちろん前提としては、私の興味の対象のひとつに植物があったというのがあります。

――植物が興味の対象であったとおっしゃいましたが、もともと植物がお好きだったのでしょうか。


はい。子どもの頃から好きだったんです。以前、私はリーマンブラザーズに在籍していた頃働き詰めの毎日を過ごしていました。会社がまもなく傾くかもしれないことにも気づいていたので、生活の主軸を好きな方面へと少しずつずらしていったんです。50歳になったら自分の好きなことをやっていこうと決めていたということもあり、それの準備期間ともいえたかもしれません。

植物も動物も、特に熱帯魚は、大好きです。ただ、好きだからと言って消費するだけだと面白くないんですよ。例えば植物であれば、買った・枯らした・悲しい、だけで終わってしまう。でも、買った・増えた・売れた・また買えたならそっちの方が絶対に嬉しい。

植物に関しては、若者のショップでも売られていたりしますし、こういった植物のアートなんかもありますよね。視点を変えれば、幾重にもアイディアが思い浮かびます。もちろん、植物も流行り廃りがありますが、植物を育てるのが好きな人はいつもいますから、このカルチャーはカタチを変えながらずっと続いていくと思います。

自分の興味のあることをやってみようと思っても、自分の得意分野は経営の分野。元々私は誰かと組んで新しく仕事を立ち上げるということをずっとやっていたので、こういった植物についても同じように進める方がいいと思ったんです。

――なるほど。だから杉山さんにお会いになったのですね。

彼の職場を訪れて見学させてもらった時には、将来のビジョンや成長過程の絵が浮かんできました。ただ、一緒にやろうにもそれは相手の意思があってのことなので、こちらが決めてしまうものではありません。やっぱり彼がどう思うかを大切にしました。

――杉山さんの印象はどうでしたか。


あまり言葉はかわしてません。ただ、彼はひたすら熱心に植物の説明をしてくれました。初対面の人間を前にすると言葉がぶれるものですが、彼にそういった面は見られず植物に対するストイックな気持ちが読み取れたんです。だから、この人ならと思いました。

――杉山さんにはどのようにお話されたのでしょうか。

翌日、彼に事業アイデアを送りました。ですが、それは杉山さんだからそうしたという訳ではなくて、興味が湧いた方には自分の考えをいつも共有するようにしています。口で言うのではなく理由や背景まで整えた書面を送った方がイメージも湧きやすいですしね。結果的に自分が関与しなかったとしても、その方としても何かのきっかけになってもらえればそれでいいです。

――それはどのようなことを指しますか。


それは、人は様々な選択肢や可能性があるのになぜ実行に移さないのか?という問いかけです。自分にはなにかやれるはずだと、ぼんやりと思い描く人は多いのですが、それを具現化する人が少ないと思いますね。そもそも、他人がわかるように言葉や文字にすらしない人が世の中本当に多いと感じます。ですから、単純に見える形にして提示することでその具現化するトリガーになるのであれば、という想いです。仮にそれが進まなかったとしても、自分としては頭を整理できますので。

――社交辞令や口約束というのは簡単なことですが、気持ちや言葉を文字に起こしてみるというのは実際のところ難しい作業だと思います。

その通りですね。文字として書き出してみると、見えないことも見えてくるものです。矛盾が出て来てここが足りないとか、ここがおかしいとか。全体に整合性がなければ書き直せばいいのです。客観的にものごとを見ることができますから。

――杉山さんのどのような部分が栗田さんにとって魅力的に映ったのでしょうか?

まずは、扱っている観葉植物たちが興味の対象ではありました。加えて、彼がとても一貫して徹していると思いました。ふわふわしながら何かに取り組んでいる人は山ほどいるんです。頑張りたいと一生懸命働くけれども、その先に夢がないと言いますか。それから、大体の人は言い訳に逃げてしまいます。こちらが思ったことをぶつけても、それを受け止めることができない。

――それは栗田さんから届いた事業計画を見て、その重大さに気づいて、そこでおじけづいてしまうということでしょうか。

そうですね。もちろん私の考えが全て正しいわけではありません。ただ、やり取りをしていく上で一貫しているということは大事なポイントですし、それができる人は魅力があると思います。

――杉山さんはその点、おじけづくこともなく、それではやってみようということになったんですね。自己実現に向かって頑張りたいと思う人と支援したい人の関係といえますね。

そうかもしれませんね。彼もはじめは、自分で会社を立ち上げるという話をしていたんです。そこで一旦お開きのような状態になったのですが、半年ほど経ってから「なにか進展しましたか?」と連絡してみたら「まだです。」とのこと。だったらどうでしょう、杉山さんは生産者、私は経営という立場につくので一緒にやってみませんかと声をかけ、会社を設立することになったんです。

――杉山さんのような人材に出会う機会というのは、頻繁には訪れないものなんでしょうか?


こればかりは巡り合いですからね。私はそもそも自分からはあまり出歩かないんですよ。だから一生懸命探しにいくようなことはしません。ですが、一年に一人ぐらいの割合で興味の湧く方と出会うことはあります。去年も一つご縁に恵まれて会社を立ち上げたのですが、相手は学生の方です。

――その学生とはどういう形でお知り合いになったのですか?

日本経済新聞が主催したビジネスコンテストがありまして、たまたま時間があったから見に行ったんです。その際にテーブルの斜め向かいにいたのが東京農業大学の大学院生で、結果的に話が進んで会社にしました。いまは日本酒を販売してます。

――最後に、ビジネスパートナーと上手にやっていくコツがあればご教示ください。

自分とキャラクターが被っている相手だとぶつかってしまうものです。自分が持っていないものを持っている人であることが大事です。そして近づきすぎず、距離間を保って対話することを心がけるようにしています。もちろん、この人だと思う相手であることがそもそも大事なことだと考えていますよ。

今回は栗田雅裕さんにお話をお聞きしました。自己実現に向けてまい進している杉山さんの支援者である栗田さんも支援を通して自己実現をすることをお考えです。お二人とも観葉植物が好きである点は同じですが、性格や得意分野の違いなどが相乗効果をうみ、事業成長に繋げているのでしょう。自己実現は1人ではできない、必ずサポートしてくれる、応援してくれる誰かがいるということを強く感じることができました。

(聞き手:永原由香子 撮影:高橋明宏)

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