クラウドファンディングの概念に捉われずにさまざまな価値を紐づけたい。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.4



>>世界の中の日本を知ったことがMakuakeの出発点。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.1
>>目指したのは、チャレンジする人が思い切れる仕組み。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.2
>>世の中のアイディアの加速装置になれるように。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.3

製品の発射力を高める東急ハンズとのコラボレーション

―Makuakeさんの最近の取り組みとしておもしろいのは、東急ハンズさんとのコラボレーションによるリアルな売り場の展開ですね。

Makuakeが新しい製品の発射台として機能していく一方で、その発射力を高めていくために「リアルな場との連携をどう進めていくか」ということは、常に考えてきました。その中で、新しくて便利なものがたくさん売られている東急ハンズさんと、これから世に出る新しくて便利なものが次々生まれるMakuakeが連携すれば、新しいものがより前に進みやすくなるのではないか……そんな意図で組ませていただきました。

実は、組む以前からMakuakeで生まれた製品を東急ハンズさんが扱ってくださっていたり、Makuakeが好きでサイトを見てくれている人がハンズさんの社員の中にいらしたりしたんです。そうしたアンオフィシャルな流れがすでにできていたので、整うべくして形が整った感じですね。

日本のものづくりに貢献しているという強い実感

―最近Makuakeから羽ばたいた製品の中で、社長が特に「おもしろい!」と思ったものはありますか?

「unda-雲駄-」という、雪駄のかかと部分にエアーソールが入っているプロダクトですね。雪駄という伝統的なものをクリエイティビティーで新しくバージョンアップしていくというのは新しい発見でした。

Makuakeを始めたばかりのころって、いわゆる「ドラえもん的な未来」をイメージしていたんです。あるいはSF的というか。それはそれで進んでいきつつあるとは思うんですけど、「伝統×クリエイティビティー」という、SFとは別の21世紀ができてきていると感じました。未来といえば一辺倒に宇宙チックだと思っていたのが、どうやらそうではない世界線(※)が出来てきていると思ったんです。

かつては気づけなかったそんな気づきが、特にここ1年ほどの間に次々とありました。「ハイテクノロジーの追求」と「伝統の進化」という両軸は、日本らしい21世紀の在り方であり、ひとつの大きな流れになるんじゃないかと思っています。

※編注:別の可能性の世界

―Makuakeの事業が「日本のものづくりに貢献している」「ものづくりの世界を引き上げている」という実感はお持ちですか?

それは、ものすごくありますね。かつては、「大手の卸や小売と取引さえできれば売れる」「納品さえすれば売れる」という産業構造だったわけですが、それは平成の前半で終わってしまいました。平成の後半からヒット商品がなかなか生まれてこなくなったのはそのせいでしょうし、一般消費者向けに新しい価値を生み出す商品が生まれにくくなったのが、ここ15~20年のものづくりの流れだろうと思っています。

でも、アイディアや技術は企業の中に変わらずにあるんですよね。山ほど。まずは、「そこを救う」「背中を押す」というのが、いま目の前でMakuakeがすべきことであり、事実としてできてきている感覚があります。絶対に埋もれてしまっていたであろう地方のアイディアも話題性を伴って世に出してきましたし、思い描いていたことは徐々に実現できているなと思いますね。

金融機関との連携で地方企業のブーストを後押し

―アイディアを持った企業をどうやってMakuakeさんにたどり着かせるかも重要ですね。

その点で我々を後押ししてくれるパートナーとして、最近は地方銀行さんや信用金庫さんと組ませていただいています。日本は、毛細血管のように地方の津々浦々まで地方銀行さんや信用金庫さんが根付いていますが、ここまで国の隅々までを網羅している業態は世界的にも稀有だと僕は思っていて、その底力を強く感じています。

地方銀行さんや信用金庫さんにおいても、「地元の企業のいいものがどんどん広まってほしい」「地元からヒット産業が生まれてほしい」ということを本気で思っているわけです。その想いは、「広がるべきものが広がってほしい」という僕たちの価値観とまったく一緒だと思っています。

そうした考えから、今、全国で約100社ほどの金融機関と連携して、「新製品を作りたい」という会社さんに対して事業をブーストさせるためのパートナーとしてMakuakeを紹介していただいています。実際に、そこから成功した事例もたくさん生まれていますし、成功によって銀行さんからその会社への融資枠が広がった例もあって、そういう広がりを聞くと、とてもうれしく感じますね。

―この先のビジョンや、やってみたいと思っていることはありますか?

「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」が僕らのビジョンです。しかし、不十分な産業構造により生まれるべきものが生み出されなかったり、広がるべきものが広がらなかったり、残るべきものなのになくなったりしてしまう……そういうことが世の中には山ほどあります。

そういうものがない世界にするために、クラウドファンディングという言葉や概念にとらわれることなく、MakuakeとしてMakuakeらしくいろんな価値を紐づけていけたらいいなと思います。その形のひとつがリアル店舗での流通であり、銀行とのパートナーシップということです。これからも、僕らのビジョンや想いに共感してくれるところがあれば、一緒になって想いを実現していきたいですね。どんどん動いて汗かいて、そういう世界を作っていきたいと思っています。

(聞き手:髙橋晃浩 撮影:髙橋明宏)

【この記事を読んだあなたにオススメ】
・【2018年版】副業の新しいカタチ!最新の副業やキャリアアップに活かせるアプリ&サービス10選
・新しい価値を生み出す開拓者の考え方 シンデレラ・テクノロジー研究家 久保友香氏×J.Score 大森隆一郎
・コンサルからチョコレート業界へ転換!創業3年で日本人初の世界大会金賞 Minimal山下貴嗣さん Vol.
・オンラインで選択肢は増えた!僕がWeb漫画家になった理由 やしろあずきさん Vol.1
・松下幸之助氏、江副浩正氏、藤田普氏…名経営者が事業を興した始めの一歩とは?