amazon

Amazon Echo、Amazon GO……AIが劇的に変える小売の世界


2014年、オンライン小売最大手Amazon(アマゾン)が音声認識スピーカー「Echo(エコー)」を発売しました。この頃からAmazonはオンラインだけでなくユーザーと直接交流するオフラインにもビジネスを拡大する兆候がありました。

2016年末にはレジを介さず商品を購入できる実店舗の無人コンビニ「Amazon Go(アマゾンゴー)」のプロトタイプが米国シアトルに完成。小売業界に激震が走ります。Amazonはオンライン小売で培ったテクノロジーにより既存の小売業界を大きく変化させるかもしれません。

AIで顧客接点の拡大、データの収集

Amazonの「エコー」は音声認識のAI「アレクサ」を搭載。ユーザーの音声を認識しユーザーの行動を補助してくれます。

「アレクサ,私のお気に入りの曲を再生して」と声をかけるとお気に入りの曲を再生、「アレクサ,太郎に電話をかけて」と声をかけると電話をかけます。さらには「〇〇のチョコを買って」と声をかけることで、AmazonのECサイトへの注文も可能です。

また、今年2017年4月にはエコーにカメラを搭載したモデルともいえる「エコー・ルック」を発売しました。カメラで自分を撮影して着こなしをチェックしたり、撮影した写真をファッション用AIが識別したりして自分に最も似合う服装を提案してくれます。

「エコー」「エコー・ルック」はユーザーの日常生活に密着したデバイスであり、ユーザーとの会話、カメラが撮影した写真・動画から膨大なデータを収集します。これまで、オンラインを中心にデータを収集してきたAmazonにとって、これらオフラインデータは顧客の嗜好を理解するうえで非常に貴重なものとなります。

実店舗小売に進出、オフラインとオンラインデータを接続

さらに、Amazonの無人コンビニ「Amazon Go」でもオフラインデータの収集が加速するでしょう。「Amazon Go」での買い物にはAmazonのアカウントを使用し、ECサイト(オンライン)と実店舗(オフライン)の顧客の購買データをリンクさせます。これにより、オンラインとオフライン双方の購買行動における関係性を見出すことも可能になるかもしれません。また、より細かな需要予測ができるようになり、競合他社よりも秀でた仕入れが可能となるのではないでしょうか。

実店舗でリコメンド機能

Amazonは日本でも2017年10月20~29日の期間限定で銀座に「Amazon Bar」を出店しました。客は注文用のデバイスを使用し、今の気分についていくつかの質問に答えます。すると、そのときの気分に合った商品がリコメンドされるというものです。
これは、AIが持つ膨大なデータをもとに個々の顧客にとって最適な商品を提案してくれるという機能です。Amazon Goのような実店舗でもリコメンド機能を取り入れた同様のサービスが展開されるかもしれません。

データを「売れる」商品の開発に役立てる可能性も

さらに興味深い発表がありました。AmazonがAIデザイナーを開発中というものです。ファッショントレンドを見つけ、デザインを再現する機械学習システムを開発しているというのです。

ファッションだけでなくAmazonが関わるすべてのジャンルでAIを活用する可能性が高くなってきました。Amazonが展開し始めているプライベートブランドの新商品の開発もまた、AIが担っていくことになるのかもしれません。

日本にもAIを活用した小売店が誕生か

日本は世界トップレベルで小売業界が発達していますが、AIは日本の小売をどう変えるでしょうか。ファミリーマートはLINEと提携し、LINEのAI「Clova」などのテクノロジーを活用したコンビニ「ファミマミライ」のコンセプトを発表しました。

LINE Payで支払い、カメラによる画像認識で来店客の属性を認識し、おすすめ商品をリコメンドします。商品の画像もまた、瞬時に認識し金額計算をすることなどがコンセプトとして発表されています。AIには新たな顧客体験の創造や店員の仕事の補助などが期待されています。

また、経済産業省はコンビニの大手5社がセルフレジシステムを国内の全店舗に導入するとしています。すべての商品に電子タグを入れることで、食品ロスの削減、レジや検品・棚卸し業務の短縮化を目指します。このデータがうまく活用できれば、配送や生産量の調節にも役立つかもしれません。

中国の無人コンビニでは、顔認証にAIが使われているといいます。AIを活用した小売業界の変革は次々と広がりをみせています。

AI活用で売りたいものを売る時代から、望まれるものを売る時代へ

AmazonがAmazon GOで小売の世界を徐々に変え、AIの力を使って商品開発をしていくように、日本でも消費者の購買行動を分析した商品開発がなされるに違いありません。これまでは売りたいモノを売る時代でした。

しかし、これだけ個人の趣向が異なる時代において、意図的に流行らせてもブームが廃れるのもまた時間の問題です。良いと思う人が多いモノ・コトこそ長く続いていくはずです。AIは長く愛される商品を生み出す重要な頭脳になるといえるのではないでしょうか。

他にもメンバー限定コンテンツを多数公開中!
新規登録の方はこちら >
メンバーの方はこちら >

【オススメ記事】
「ブロックチェーン」や「ICO」の成長に見るFinTechの市場と未来へのポテンシャル
今アツい?急成長中のインドのフィンテック分野のポテンシャル!
イーロン・マスクは「ロングスリーパー」経営者に学ぶ理想の睡眠時間とは?
見合いよりTinder?インド人の結婚観に訪れる変化の波