BABYMETALが筆頭!世界で活躍する6組の日本人アーティスト


国という枠をこえて海外へ飛び出し、大活躍をしている日本人アーティストがたくさんいます。彼らはどのようにして世界で有名になったのかを考えてみましょう。

オンラインとオフラインを戦略的に使い、独自路線で人気を博したBABYMETAL

53年ぶりにビルボードTOP40にランクインしたkawaiiとメタルの融合

日本国内だけでなく海外でも人気を得ているアーティストとして、筆頭にあげるのはBABYMETAL(ベビーメタル)です。

ボーカルのSU-METALの初の凱旋公演となる「BABYMETAL<LEGEND – S – 洗礼の儀 ->」が2017年12月2日(土)、3日(日)広島グリーンアリーナにて行なわれたばかりの彼女たち。メンバーの一人であるYUIMETALが体調不良により公演を欠席するというトラブルに見舞われたにも関わらず平均年齢18歳の彼女たちはたった2人でアリーナクラスのライブを大成功に導き、改めて彼女たちの凄さをファンに知らしめる結果となりました。

BABYMETALはこれまでどんな戦略をとって今の人気を得てきたのでしょうか。

メンバー構成

ボーカル&ダンス担当のSU-METAL(中元すず香)、ダンス&スクリーム担当のYUIMETAL(水野由結)とMOAMETAL(菊地最愛)の3人のフロントアクトを中心に、日本の音楽史に燦然とその名を刻むドラマー青山純の長男であるドラム担当の青山英樹氏や日本では数少ない六弦ベースを操る棒手大輔氏、数々の有名バンドを掛け持つギター担当の大村孝佳氏や伝説のV系メタルバンドDELUHI出身のギター担当Leda氏など、超絶技巧で有名な数多くの凄腕ミュージシャンで編成される「神バンド※1」がサウンド面を支える、唯一無比のアーティストです。

BABYMETALはもともと「さくら学院」という成長期限定アイドルグループの部活動ユニット「重音部」として、2010年11月28日に横浜赤レンガ倉庫で行われたさくら学院初のワンマンライブ「さくら学院祭☆2010」で初披露されたユニットのひとつでした。


(Avalon/時事通信フォト)

注目を集めた理由

そんな彼女たちが注目を集めた大きな理由のひとつはラウドミュージックに精通したプロデューサーの小林啓氏(アミューズ)が発明した「アイドルとメタルの融合」をコンセプトにした独自性と意外性のアイディアです。たとえば、キツネ様と呼ばれるメタルの神様がメンバーに憑依をしているというユニークな設定、ゴシック要素を含んだ赤と黒が基調の衣装、人差し指と小指を立てたメロイック・サインを模した独自のポーズ(キツネサイン)などがあります。

実は日本でも2014年3月に女性アーティストでは史上最年少(当時の3人の平均年齢は14.6歳)で日本武道館のワンマンライブを2日間、計2万人を動員し成功させるほどの人気と実力をもっていました。しかし、BABYMETALは国内の人気もさることながら、ヘビーメタル好きの多い海外での知名度や人気はさらに高いといわれています。

BABYMETALのオンライン戦略

彼女たちはオンラインとオフラインの両方でファンを獲得しているのが特徴です。オンラインではYouTubeを使い、ミュージックビデオを全世界向けに配信しました。2014年にYouTubeにアップされた、元THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士氏作曲の『ギミチョコ!!』(2014年2月25日公開)は世界中で再生され、彼女たちの独自性と意外性に注目が集まるようになりました。その再生回数は7,900万回にのぼります(2017年11月21日現在)。

BABYMETALの評判を聞きつけた海外のYouTuberたちが自身の「リアクション動画」で彼女たちを取り上げることで評判が評判を呼び、ネットを介して世界中に拡散していく様はまさに現代の最先端マーケティングといっても過言ではないでしょう。

BABYMETALのオフライン戦略

オフラインでは、フェスへの参加や世界的に有名なアーティストとの共演を重視しています。たとえば彼女たちのもっとも大きなターニングポイントとなった2014年7月にイギリスで開催された欧州屈指のメタル・フェスティバル「Sonisphere Festival UK」では日本人アーティストとしては異例の大抜擢となったメインステージに出演し6万5千人の観衆を集め、さらに2015年8月には世界的なフェス「Reading & Leeds Festival」に同フェスティバル史上最年少でメイン野外ステージ出演するなど露出を増やしていきました。

それだけではなく、2014年の世界進出からこれまでに世界中でワンマンライブを行い、ファンにパフォーマンスを届けたのです。その数は2016年に行った約5ヶ月半にわたるワールドツアーだけでも実に22公演・約45万人にのぼると発表されています。

世界的に有名なアーティストとの共演では、2014年にLady Gaga(レディ・ガガ)のワールドツアーにおけるオープニングアクト、2017年1月にはMETALLICA(メタリカ)ソウル公演のオープニングアクトとガンズ・アンド・ローゼズのジャパンツアーでのオープニングアクト、さらに同年4月にはRed Hot Chili Peppers(レッドホットチリペッパーズ、以下レッチリ)のアメリカツアーのオープニングアクトとして彼らのツアーに参加しています。なお同公演のマイアミ公演ではレッチリメンバーがオープニングアクトであるBABYMETALのステージで神バンドのメンバーとともに『ギミチョコ!!』を演奏するなど、日本人アーティストがこれまで経験した事のない怒涛の活躍を見せています。


(Avalon/時事通信フォト)

BABYMETALはランキングでも世界を圧倒中

2016年4月にリリースされた2ndアルバム「METAL RESISTANCE」は日本人として53年ぶりに全米ビルボードチャートのランキングでTOP40入りしたほか、同年にはロックが好きな人の聖地とも言えるイギリスの「ウェンブリーアリーナ」で日本人のアーティストでは初のワンマンライブを開催し、約12,000人の観衆の前で17曲をほぼノンストップで披露し大成功を収めました。

更に2017年6月にはアメリカ・ロサンゼルスの「ザ・パラディアム」ホールで行われた自身のUSツアーにおいて元PANTERAのドラマー、ヴィニー・ポールを中心に結成されたバンドHELLYEAH(ヘルイェー)をゲストに迎えた単独公演を成功させるなど、彼女たちの人気や勢いがとどまることはありません。

BABYMETALのもつ独自性と意外性は、オンラインとオフラインを戦略的に活用していくことでこれまで以上に世界中に広まっていくことでしょう。また彼女たちの活躍が世界に知られることで新たな日本人アーティストに注目が集まる可能性もあり、そういった意味では「クールジャパン戦略」といったトップダウン型の世界戦略とは異なる手法で、その他の日本人アーティストにも「世界への扉」を開きつつある状態と言っても過言ではないでしょう。

海外で地道な活動を続け、爆発的な人気を得たアーティスト

日本ではなかなかその個性が花開かず、日本を飛び出して海外で地道な活動を続けたアーティストの二組を紹介します。

NMEで”This is Music For The Gods(神の音楽)”ともいわれる「MONO」

MONO(モノ)は1999年に結成されたインストゥルメンタル・ロック・バンドです。

世界で一番聴かれている日本のバンド

MONOは一部の音楽メディアからは「世界で一番聴かれている日本のバンド」とも言われいます。なお、NMEでは”This is Music For The Gods(神の音楽)”とも称されています。特徴的なのは、オーケストラとシューケーズギターノイズがくりなす音楽でしょう。

日本では人気が出ず、海外へ飛び出したことが功を奏す

結成当初、日本ではあまり人気を得ることができませんでした。そこで、日本を飛び出し海外で積極的にライブを繰り返したのです。海外でも最初のうちは小さなライブハウスで数人の観客しかいなかったそうですが、徐々に彼らの音楽が受け入れられて、2009年にはニューヨークでオーケストラを率いて公演を成功させました。海外でライブに足を運ぶ人たちにターゲットを絞ったのが功を奏したのでしょう。現在では世界的な人気を誇り、毎年世界各地で150本以上のライブを行っています。

アメリカの有名なレーベルと契約をしたインディーズバンド「toe」

toe(トー)は2000年に結成されたポストロックバンドです。

インターネットを駆使してファンを獲得した

彼らはインターネットが普及する前からバンドのネットワークを駆使して欧米でライブを行い、熱狂的なフ
ァンを獲得してきました。今や、日本のポストロックといえばtoeといわれるくらい有名なバンドのひとつです。彼らに注目したいのは、その幻想的な音楽です。妥協しない音楽への姿勢や、幻想的な世界観がファンの心を捉えて離さないと言われています。アジアやヨーロッパでもツアーを行い、成功をおさめています。

国内外でレーベルに所属しているものの、実はバンドは副業

日本ではMachupicchu INDUSTRIASというレーベルから音楽を発信していますが、アメリカではTopshelf Recordsに所属して音楽活動を行っています。それだけ知名度や人気があるにもかかわらず、メンバーはバンドを本業としていません。

動画やSNSを使って人気を博したアーティスト

スペイン語圏に人気のポップスユニット「EVERLAST」

EVERLAST(エバーラスト)はポップスユニットで、落ち着いた叙情的な楽曲が特徴です。

Facebookで圧倒的な人気を博す

日本での知名度は低いものの、Facebookのフォロワーは約30万人を誇ります。彼らのFacebook公式ページは日本語だけではなくスペイン語での投稿が多数あり、中南米を中心にファンがいるのです。また、YouTubeのコメント欄を見ても日本語よりもスペイン語、英語のコメントが多いのが特徴でしょう。

人気爆発の理由はYouTube

実は、EVERLASTは2012年にYouTubeに投稿した動画が海外のユーザーに評価されたことがきっかけで爆発的な人気がでました。その後、コスタリカやメキシコのイベントに招待されて出演するほど、知名度が高くなったのです。

YouTubeで2,000万回観られているダンサー「黄帝心仙人」

黄帝心仙人(コウテイセンニン)はカンヌ国際広告祭で対象を受賞するなど、世界的に有名なダンサーのひとりだといえるでしょう。

苦労して編み出したアニメーションダンス

彼の持ち味は、アニメーションダンスです。実は、彼は子どものころにサッカー選手になりたかったものの、足首を複雑骨折し、サッカーを諦めて大学入学後からダンスを始めました。足首に負担がかかる動きができないという弱点を理解し、体の各部分を動かす練習を繰り返し、彼のオリジナルのダンスを生み出したと言われています。

ユニクロCM出演が世界的な人気のきっかけに

彼はダンスチーム「無名」(ウーミン)を結成し、2003年ころから数々のダンスコンテストで優勝をカ飾るようになりました。2006年にはユニクロのCMにも出演し、YouTubeでの再生回数が300万回以上を超える大ヒット(※2017年11月21日現在、約336万回)。そこから、世界各国から出演の依頼が来るようになったのです。2009年に「無名」が解散した後、黄帝心仙人はソロ活動を開始しました。今やダンスのみならず、ロボットの動きの開発などにも携わるなど、世界をまたにかけ、活躍の場が多岐に渡っています。

ストリーミングサービスでいきなり世界的な人気になったアーティスト

Spotify経由で話題になったアーティスト「AmPm」

AmPm(アムパム)はストリーミングサービスのSpotifyで話題の覆面のエレクトロデュオです。

Spotifyが生み出した驚くべき新人

2017年3月にリリースしたデビューシングル「Best Part of Us」は再生回数が700万回を突破しました。その再生のほとんどは日本国外ユーザーによるものです。日本では音楽市場といえばオリコンなどの従来からある音楽ランキングをイメージするものですが、Spotifyというストリーミングサービスでその存在を知らしめた彼らは今後の音楽市場を牽引する重要な存在かもしれません。

Spotifyにはユーザーが新たな曲を開拓するために用意された「プレイリスト」という機能があり、新人アーティストでもよい曲であればプレイリストに加えられ多くのユーザーに曲を聴いてもらえる機会が与えられます。このSpotifyという「媒体」を発信の場にしたのもAmPm成功の要因のひとつだといえるでしょう。

音楽が副業の異色デュオ

AmPmの2人はアーティスト活動が副業扱いだそうです。これだけSpotifyで人気が出たのに覆面で顔を明かさないのは、彼らにとってアーティスト活動が副業扱いだからかもしれません。本業は経営者で音楽プロデュースやデザインの仕事をしているそうです。

アーティストから学ぶ自分の活躍できるフィールドを見つける大切さ

これまでに紹介したアーティストたちに共通しているのは、活動の場を日本・海外という国単位で考えず、自分たちの曲や個性をどのようにしたら見てもらえるかを模索し続けた結果だということです。

生で見てもらう方が自分たちのよさを広められると地道にライブ活動を続けて人気を博したアーティストもいれば、自分たちの個性を一番発揮できる場所がインターネットだと考えてインターネット経由で世界中に自分たちのことを発信してファンを獲得したアーティストもいます。これらはすべて、自分たちのターゲットはどこにいるのかを意識的に、もしくは無意識的に考えて戦略を売った成果だと言えるでしょう。

加えて、今や音楽再生プラットフォームが世界中に拡大したことでアーティストとして活躍する敷居は大きく下がりました。今後は、思わぬところから世界中で有名になる日本のアーティストが誕生するかもしれません。

※1 初期よりご活躍されていた藤岡幹大氏は平成30年1月5日に永眠されました。

2018/01/12 更新

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