FashionTech

ファッション×テクノロジーのFashionTechが始動、新たなる顧客体験の創造


VR/AR、AI、IoT、シェアリング、3Dプリンター…現在トレンドのテクノロジーキーワードです。これらのテクノロジーは様々な業界における顧客体験を一変させる影響を与え始めています。

それはファッション業界に対しても同様。ファッション業界でこれまでかつてなかったユニークな顧客体験が創造され始めています。

VR/AR(かつてない顧客体験を創造)

・VR(仮想現実)

VRの導入が積極的に進みつつあるのがファッションECサイトです。従来のECサイトにおいてはユーザーは文字、画像、または動画を見ることが一般的です。

しかし、ファッションECにVRを活用することが現実味を帯びてきています。すでにVR内でバーチャルな服を見て回ることができるVRサービス「STYLY」が存在します。VR内にオブジェクトを置いてブランドの世界観を表現することも可能です。アウトドアブランドであればVRの背景に広大な山、自然を映し出してみるなどしてブランドの世界観を演出できます。さらに、将来的にVRで触れた服の手触り、着心地などの触角の実現も予測されています。

・AR(拡張現実)

ARもファッションECを補強する役割を果たします。GAPはARアプリ「DressingRoom」を開発しています。ユーザーは「DressingRoom」を使用することでスマホの画面上の現実世界に自分の体形のマネキンをARで映せます。そして、好みの服を選んでマネキンに着せ替えできます。実際に自分の家や仕事場を背景にし、その着こなしが日常生活の場に溶け込むかどうかも確認できるのです。

他にもAR活用事例があります。コスメブランドのSephoraはARアプリ「Visual Artist」を開発。ユーザーはスマートフォンに映した自分の顔に商品の口紅を塗ってみたりARを活用して化粧ができるのです。

AI(労力、人件費削減に活用)

・画像認識

AIは画像の色や形状など画像の特徴を認識する画像認識が可能です。この画像認識がファッション業界においてとりわけ威力を発揮します。

数多く画像認識アプリがリリースされています。アプリを使用して服の画像をアップロード。するとその服に似た服をインターネット上から探し出してくれます。

・チャットボット

ECサイトやFacebook経由で顧客から送られてくるメッセージへの返信など顧客対応は従来人間が行っていました。しかし、最近ではAIによるチャットボット(チャット+ロボットの造語)がメッセージに返信するなど顧客対応が自動化されるようになってきています。

よくある質問への回答など基本的な顧客対応をチャットボットが代行できるため労力、人件費削減につながっています。
また、チャットボットは顧客とのチャットを通して個々の好みを把握して好みに応じた服をおすすめできます。販促手段としても使用されているのです。

コーディネート

AIを活用したコーディネートサービスも増えています。

米国のECサイトStitch Fixは単に服を販売するだけではなくAIを活用したコーディネートサービスも提供しています。
顧客は自分の体形や着こなしの好みなどの質問に回答します。するとその回答に応じてAIが最適な服のコーディネートを考案します。そして、最終的には人間がAIのコーディネートをチェックします。あくまでも労力削減の補助としてAIを活用しているのです。

AIだけだと人間的な感覚を欠いたコーディネートになる可能性が排除しきれません。人間のチェックと組み合わせることでAIの弱みを補っています。

デザイン

AmazonはファッションデザインのできるAIデザイナーを開発中です。
AIでソーシャルメディアの情報を収集してトレンドをくみ取ったデザインを考案します。さらに、画像認識を進化させる研究も進めています。AIが服の画像からファッションスタイルを学習し似たようなスタイルの服を作れるアルゴリズムを開発しています。そして、画像からその服がカッコいい服かどうか推測するアルゴリズムも開発中です。服がカッコいいかどうか判断するのは人間の「センス」が担うと考えられていた領域です。AIがセンスを持てる可能性があるというのは衝撃です。

IoT

IoTとはモノのインターネットのことです。スマートフォンと連携して外出先からスイッチを入れたり操作できる家電のようなIoTの例はすでにあります。

そのIoTがファッション業界でも盛り上がることが予測されます。ドイツのブランド「10ELEVEN9」は姿勢が悪いことをユーザーに通知する「スマートシャツ」を販売しています。

シャツの生地にバイオセンサーが組み込まれており心拍数、姿勢、呼吸を測定できます。スマホアプリと連携して、ユーザーが前かがみで姿勢が悪い状態だと、シャツが振動してユーザーに通知します。また心拍数からストレスの有無を診断し、スマホでユーザーに休憩するよう通知してくれます。
現状のバイオセンサーは装着型ですが、将来的にはセンサーを生地に縫い込んだIoTの服が実現するかもしれません。

シェアリング(服の試し放題)

服を貸し出すレンタルサービスが流行しています。みんなで服を共有するシェアリングサービスとも言えます。

日本ではairClosetが有名です。airClosetでユーザーはサイズ、好みの色やスタイルを選択し、自分の全身写真をサイトにアップロードします。

それらの情報をもとにコーディネーターがユーザーに合った服をコーディネートします。選んだ服がユーザーのもとに配達されます。もしユーザーが服を気に入らなければ服を返却し、フィードバックを提出します。またコーディネートし直した服を送ってもらえます。

その都度服を購入すると多額のお金がかかりますが、レンタルサービスなら定額で自分に合った様々な服を試すことができます。服を試し着しながらファッションセンスの幅を広げられるのが服のレンタルサービスが支持を得ている理由でしょう。

3Dプリンター(立体的でユニークな服のデザイン可能)

製造業をはじめ様々な業界で活用され始めている3Dプリンター。ファッション業界ではどうでしょうか。3Dプリンターで服を作ること自体は可能です。3Dプリンターは個々の体形にカスタマイズした服、立体的でユニークなデザインの服を製造できることが強みです。

しかし、現時点で3Dプリンターが織機に取って代わることはできません。なぜなら3Dプリンターで使用できる繊維素材が限られているためです。

現状では服のプロトタイプを作ること、ユニークさが求められる服作りに活用されているようです。過去にレディ・ガガやビヨンセなどのパフォーマンス用の服が3Dプリンターで製作されています。
3Dプリンターは個々の好みを反映したファッションを実現するのに一役買うのではないでしょうか。

高まる日本のFashionTech(ファッションテック)

これらの分野はいわゆるファッション(Fashion)とテクノロジー(Technology)をかけあわせたFashionTech(ファッションテック)といわれています。日本では欧米に比べてまだまだシェアが大きいとはいえませんが、今後ますます市場が拡大すると予想されています。日本では、2017年4月、渋谷にTokyo Fashion-technology Lab(東京ファッションテクノロジーラボ)という学校も誕生しました。理事には有名なクリエイターたちが名前を連ね、日本のFashionTechを盛り上げようとしています。

今でも日本人はオシャレだと海外では言われているようですが、日本のFashionTech(ファッションテック)が進めば日本のオシャレが海外に旋風を巻き起こす日がくるかもしれません。そうすれば、今以上に日本のファッション市場が拡大し、新しいクリエイターやファッショントレンドがうまれるのではないでしょうか。

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