攻殻機動隊

世界中にファンがいる「攻殻機動隊」 その人気の秘密に迫る!


多くのファンを魅了してきたSFアニメの金字塔「攻殻機動隊」。スカーレット・ヨハンソン主演のハリウッド映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」としてリメイクされ、日本でも2017年4月に劇場公開されました。何かとコンテンツ不足が叫ばれている現代のハリウッド映画界ですが、なぜ「攻殻機動隊」が選ばれたのかと疑問に思う人もいるかもしれません。それは、この「攻殻機動隊」が日本だけではなく、世界中に多くのファンを持つ作品だからにほかなりません。

「攻殻機動隊」の人気の火つけ役 押井守監督

攻殻機動隊は1989年にSF漫画家の士郎正宗氏によって生み出されました。「これまでに劇場版アニメが6作品(リニューアル含む)、テレビアニメシリーズが4作品制作されています。それらの中でも特に人気の火付け役となったのは、1995年に押井守監督によって映画化された「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」です。日本の劇場公開時の観客動員数は12万人でしたが、その後アメリカでビデオが発売されました。当時5,000本売れれば大ヒットといわれていたジャパニメーション・ビデオ市場で、異例の30万本以上を販売記録したのです。1996年8月の「ビルボード」誌のビデオ週間売り上げで1位を記録しています。

それ以降は、続編の劇場版アニメ「イノセンス」が2004年に公開されました。それと前後するかのように、テレビアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズが2002年、2004年、2006年(OVA)に制作され人気は不動のものになりました。さらに2013年には、プロローグにあたる「攻殻機動隊 ARISE」も劇場公開されています。

また、キアヌ・リーヴス主演の映画「マトリックス」をはじめ、押井守監督の劇場版アニメに影響を受けたといわれる作品も多数登場してきました。それゆえに、長年ハリウッドで映画化されるという、うわさが絶えませんでしたが、それがついに2017年に実現したのです。ハリウッドで映画化されたのは『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』。本作では、ネットに直接アクセス可能な電脳技術が発展した近未来が舞台になっています。主人公の草薙素子(ハリウッド映画版ではミラ・キリアン)が所属する捜査組織「公安9課」のメンバーたちが、サイバーテロなどの事件を解決していく姿が描かれました。

哲学的なストーリーがファンをひきつける

多くの作品が作られてきた「攻殻機動隊」ですが、その魅力はどのような点にあるのでしょうか。真っ先に思いつくのが、「スタイリッシュなアクション」と「魅力的なキャラクター」、そして「哲学的なストーリー」です。特に映画やアニメ作品に関しては、それらの枠を超えて、ひとつの映像作品として、大人でも十分に楽しめるクオリティになっています。

どの作品もキャラクターや世界観などの共通点は多いものの、細かな違いもありパラレルワールドのような独立した作品として楽しむことができます。しかし、その中で描かれている物語には、一貫したテーマのようなものを感じとることができるはずです。ちなみにオリジナルの原作漫画は、当初「GHOST IN THE SHELL」というタイトルになる予定だったそうです。これは、本作が20世紀の思想家・アーサー・ケストラーの著書『機械の中の幽霊(The Ghost in the Machine)』を元にしているからだといわれています。

ケストラーは同書の中で、あらゆる生物や人、社会現象などは上位のレベルから見れば要素(部分)にすぎないものと表現しています。さらに、下位のレベルから見ると全体を構成する要素である両面性を持つ「ホロン」という概念を提唱しているのです。「攻殻機動隊」では、そこに脳とネットワークを直接接続した「電脳化」や、サイボーグ技術の「義体化」などSF的な要素をふんだんに盛り込んでいます。

インターネットとともに成長してきた「攻殻機動隊」

哲学的な面白さに加えて日本で一般家庭向けのインターネットが普及し始めたのが、劇場版アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」が公開される前年の1994年ごろです。その後、ネットワークやサービスの普及に歩調をあわせるかのように、「攻殻機動隊」という作品も大きな成長を遂げてきました。そうしたインターネット時代の波にうまく波長があったのも、人気の秘密だといえるのではないでしょうか。

 

他にもメンバー限定コンテンツを多数公開中!
新規登録の方はこちら >
メンバーの方はこちら >