松下幸之助氏、江副浩正氏、藤田普氏…名経営者が事業を興した始めの一歩とは?


私の進む道はこれで良いのだろうか。日々生活している中で、輝いている人と出会うとこのように思う人もいるのではないでしょうか。自分の信じた道をまっすぐ歩む人は、存在感もパワーも感じられます。私たちとは同じ時代には生きていなかった偉人たちの伝記を読んでも、自分の軸に沿って生きた人たちについては魅力を感じます。

自分と彼らはどのような点が異なるのでしょうか。

経営の神様 松下幸之助氏の場合

いわずと知れたパナソニック(旧松下電機産業)を一代で創業し、世界的な電機メーカーに育て上げた経営の神様の松下幸之助は、どのようにして起業という一歩を踏みだしたのでしょうか。

松下幸之助氏は、9歳の時から「五代自転車商会」という会社で丁稚奉公から始めたのは有名な話です。幸之助氏はこの自転車店で6年丁稚奉公をしていました。ある時奉公での外出時に当時大阪を走り始めた市電を見たことが、起業のきっかけでした。「これからの時代、自転車は市電に取って代わられる。これからは電気の時代が来る」と考えたわけです。

そして電気に関わる仕事に関心が向き、彼が15歳の時、大阪電燈(のちの関西電力)に転職しました。当時は親の考えで奉公に出されれば、一生その職場で働くことが普通だったのですが、幸之助は初めて自分で転職を決断したのです。

その後、昇進し電気検査技師として働くことになりましたが、慣れてくると2~3時間で仕事が終わるようになりました。そこでその時間を活用して、電気ソケットを改良した試作品を作成し、当時の上司に見せたところ、突き返され、それに発奮した幸之助は、昼夜ソケットの改良のことを考えるようになりました。考えて考えて考え抜き、幸之助は新しい発想を生み出し続けたのです。

これをきっかけに、幸之助は独立しました。この独立がなければ今のPanasonicは誕生していなかったことでしょう。幸之助の職場環境に安泰にすることなく、自分の創意工夫が生きる環境に身を置きたいと強く思ったその志が、のちの大成功に繋がったと言っても過言ではありません。

起業家の卵のインキュベーター、リクルートの創業者 江副浩正氏の場合

今や当たり前となっている人材派遣。人の採用といえば、リクルートを思い出すのではないでしょうか。そのリクルートという言葉を日本に知らしめた江副浩正氏は、東京大学在学中に東京大学新聞社に在籍し、その後株式会社リクルートの前身である株式会社大学広告を創立しました。

事業内容は大学卒業予定者に対して、「企業への招待」を発行するというものです。これがのちに、日本における新卒採用の入口を作り出したのです。彼自身に起業家としてのDNAが備わっていました。自分のやりたいことや信念が強く、そのDNAがリクルートにいた社員にも伝わり、その結果リクルートが「起業家輩出企業」といわれるようになったのではないでしょうか。

江副氏が2006年6月5日発行の日経ビジネスとのインタビューで、特に採用には力を入れ、起業家マインドの強い人を特に選んで採用している、と答えています。また、別のインタビューでは自身には、リーダーシップがないので、他の人を採用することで、自分にないところを補っている、と発言しています。彼は、自分ができるところは自分で行い、人の手も借りて自分の夢ややりたいことを実現していると言えるでしょう。

現代の通信分野でのカリスマ経営者 藤田晋氏の場合

最後は、Amebaブログ(アメブロ)やAmebaTVなど、インターネットでの新たな革命を起こし続ける株式会社サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏です。彼は26歳という若さで同社を東証マザーズに上場させるほどの敏腕経営者です。

福井県出身の藤田氏は青山学院大学に入学します。大学時代は広告代理店でのアルバイトをしながら大学に行くという生活をしていたそうです。その時に経営者の人たちのそばに身をおくことができたことで、将来すごい会社をつくりたいと思うようになったそうです。

青山学院大学を卒業してからは、当時ベンチャー企業だったインテリジェンス(現在のパーソルキャリア)に入社します。起業をするか、就職をするか迷ったそうですが、当時インテリジェンスの経営をされていた宇野康秀氏にお会いしたことがきっかけで、インテリジェンスに入社することになります。

1年で会社に大きな粗利を残し、インテリジェンスを退職することになりました。周囲も引き止めたそうですが、意志はかたかったとのこと。そして、1998年に起業しました。学生時代から将来は起業をしたいと夢見ていたそうで、2003年にAmebaブックスより出版された「渋谷ではたらく社長の告白」は多くの人たちに影響を与えました。

アメブロはユニークなアイディアと使いやすさに加え、著名人の情報発信の場として現在も多くの人が情報発信を行っています。近年ではAmebaTVの事業を立ち上げ、新たな情報発信の場の提供と事業確立を目指し、チャレンジを続けています。AmebaTVは新しいテレビのカタチとして、徐々に浸透しており、いずれ同社の大きな収益源になるのではないでしょうか。

自分の道を真っ直ぐに生きる人の志をマネて、一歩ずつ進む

3名の著名人について、お話をしてきました。彼らに共通することは、物事をやり遂げる強い意志を持っている、ということです。自分の道をまっすぐに歩む人たちに共通するのは、この想いの強さにかかっているのではないでしょうか。何かを始める、何かをやり続けることは、辞めることよりも大きな労力を伴うかもしれません。しかし、自分のやりたいことに対して信念を持って向かえば、きっと強い心で新しい考え方や行動が導き出せるのではないでしょうか。