日本人とインド人、仕事をするうえでの価値観の違いとは


マイクロソフトのCEOサティア・ナデラ氏、グーグルCEOのサンダー・ピチャイ氏をはじめ、世界的IT企業のCEOにはインド出身の人が多く見受けられます。目覚ましく活躍するインド人の仕事に対する価値観とはどのようなものでしょうか。また、日本人とはどのような違いがあるのでしょうか。

インド人の特徴、それはいい意味の個人主義

インドでは、会社のために働くというよりも高給を得ることを目標に働く人が多いのです。彼らはいかに自分のスキルを向上させて高給を得るかを考えており、仕事における価値観は至って個人主義的だと言われています。日本では周囲との調和を図りながら仕事を進める場面が見受けられますが、インドでは個人の能力を最大限に発揮することが何よりも大切だという風潮も一部にはあるようです。

リクルートホールディングスの調査「Global Career Survey(20代、30代の大卒者入・転職実態調査)」によれば、仕事をするうえで大切だと思うものについて「高い賃金・充実した福利厚生」だと答えたインド人は58.8%でした。日本人は同質問に対しての回答は39.0%です。また、「明確なキャリアパス」と答えたインド人が31.5%、対する日本人は10.5%です。日本人は「良好な職場の人間関係」の選択率が56.0%と最多で、対するインド人は26.3%でした。

これらのことから、インド人の仕事のスタンスが読み取れるでしょう。決して悪い意味ではなく、自分のポテンシャルを最大限に発揮するという意味で、こういったスタンスがあるからこそインド経済が急成長しているのかもしれません。

インド人は起業精神旺盛な人が多い

日本アムウェイ合同会社の調査「アムウェイ・グローバル起業家精神調査レポート」によると、世界の起業家精神ランキングで45ヵ国中インドが2位、日本は44位という結果が出ています。

この結果の通り、インド人は起業精神が旺盛です。一緒に働いていた従業員のAさんがいつの間にか会社を辞めて同業の別会社を立ち上げていた、そのようなことがインドでは頻繁に起きています。インド人は雇用されるよりも自ら会社を起こして事業主になろうとする、起業精神旺盛な価値観の人が多いのが特徴です。「できる?」と聞かれて「できるよ!」と答える人が多いようです。そういった精神が世界でも注目されるFinTech(フィンテック)大国、IT大国へとインドの地位を向上させたのでしょう。

世界を見渡せば子どもの労働を削減する傾向がありますが、インドでは子どもの頃から放課後は親の会社を手伝う(働く)ことができます。インドでこのようなことが可能になるのは、子どものうちから自立した起業家精神を身に着けてほしいという願いがあるからだそうです。子どもにはしっかりとした教育を受けさせ、学ぶことが大切だという反対意見もあるようですが、教える側の水準もまだまだ発展していかなければならない状況のもと、今後どのような方向に進むのか見定める必要がありそうです。

実はインド人には楽観的な一面もある

インドはここ数年急速な経済成長を継続していることはお伝えしたとおりですが、IT産業を中心に数多くのスタートアップが誕生しています。インド人は個人主義で、自分の能力を果敢に発揮できる場所を求める傾向があるものの、楽観的な一面もあります。

例えば仕事において「できる!」といったものの、どうやったらうまくいくのかをメインに考えるといったことです。日本では、プロジェクトを進めるにあたり、想定リスクや失敗した時にはどうフォローするかなどを考えますが、インド人はあまり想定リスクを気にしません。

また、余裕をもったスケジュールではなく、スピード感あるスケジュールで進めることもあるようです。結果として、失敗したとしても、どうして失敗したかを考えてすぐに挽回するようです。その場に応じて臨機応変に動くので、OODAで動いているというイメージだと言えば分かりやすいのではないでしょうか。

楽観的であることはインド人の強みといえます。できる!と積極的になり、悲観的にならずに常に前向きな点は日本人も真似すべき点かもしれません。

単なる個人主義ではない!対話重視もポイント

前述したようにインド人は個人主義ではあるものの、それは働くうえで対立を助長するものではないのが興味深い点です。彼らは他人と対話をしながら合意形成を図る能力に長けているのです。

社員も、上司からトップダウン的に指示されるよりも対話をしながら指示されることを好みます。世界で活躍するインド人リーダーの代表例であるマイクロソフトのCEOサティア・ナデラ氏。彼は対話をしながらさまざまな利害関係をうまく取りまとめる合意形成能力に優れているそうです。見事にマイクロソフトの業績を向上させることに成功しています。

優秀なインド人ビジネスパーソンには、ナデラ氏のような対話をしながら合意形成を図ることに秀でた人が多いです。

合理的だが短絡的な面もある

インドのMITと目されるIIT(インド工科大学)などのインドの最高峰の大学で教育を受けたインド人は高い知性を備えており、合理的な思考を持っています。彼らは合理的な考え方をするがゆえに短期的な結果を求めることが多いです。例えば、日本人感覚では最初は損をしてでも「損して得取れ」という考えからクライアントと長期的関係構築を重視するのが一般的です。

しかしながら、合理的な思考のインド人は、関係の構築に時間をかけすぎること、努力が無駄に終わってしまう可能性が高いことを非合理だと考える傾向にあります。「すぐ顧客にならないなら相手をしなくてよい」そう考えるインド人が多いのです。合理的であるがゆえに若干短絡的な面がある点も否めません。

仕事をするうえで、インド人の価値観から真似できる点は多い

このようにして見ると、インド人の気質はスタートアップやベンチャー企業の気質が見え隠れしているのではないでしょうか。起業家精神にあふれ、積極性があり楽観的、そして合理的であることが、インドをイノベーション大国へと成長に導いたといっても過言ではありません。

インド人とまったく同じように振る舞うと、日本では仕事がしづらい面もあるかもしれませんが、少し積極性をプラスしてみる、少し楽観的に考えて、何としてもうまくやろうと失敗を恐れないでやってみるなど、意識を少しだけ取り入れることはできるでしょう。

 

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