世界で最もイノベーティブなレストラン「kabi」


日本では今、世界中の国の食事をいただくことができます。たくさんのレストランが立ち並ぶだけではなく、インターネットでも海外から輸入できますし、オシャレなスーパー等でも缶詰を購入できます。また、日本から海外に進出して流行した食事もあれば、フレンチや中華など、海外から入ってきた料理が日本で浸透しているものも多数あります。そんな中、日本で新潮流ともいえるレストランが今注目を集めています。

北欧の現代料理が注目される理由

世界で注目を集めているのは新北欧料理。レストランで世界一のお店があるのは北欧のデンマークにある「noma」。北欧料理をさまざまな方向に広げた革新的なお店だと言われ、世界中の人から注目を集めています。過去には日本にも出店され、日本の美食家たちを唸らせたといいます。

このnomaでは分子ガストロノミーと言われる、これまでの伝統的な創り方にとらわれない、自由な発想の料理を提供しています。これまでのデンマークでは旬の食材をさまざまな加工法を使って調理していただくというよりも、シンプルに焼く・煮るという方法をとっていました。そのため、nomaのような手づかみで食べる、シェフ自らが料理を運ぶスタイルに驚く人もいたようです。

食に対する意識が味わう・おいしさを喜ぶというよりも、健康に生きるために栄養を摂り入れることが目的だったことから、新しい北欧料理に徐々に注目が集まるようになったのです。

世界中から注目が集まる新北欧料理はその調理方法もさることながら、店内のデザインの美しさに加えて、食事そのものの鮮やかさに注目が集まります。これは、2004年に作成された「新・北欧料理のマニュフェスト」にもあるように、食を単純な食とは捉えず、季節感があり、地元の良さを伝える食であることに加え、幸福な生き方や伝統などの価値等をふまえ、イノベーティブなものだと捉えているのです。そういった意味ではこれまでの伝統を食の力を使って新潮流を生み出した新北欧料理が世界から注目を集める理由にも納得ができるのではないでしょうか。

料理もアートだという考え方

そんな新北欧料理は、大陸を超えて日本にもやってきました。期間限定で出店されるお店もあれば、北欧に修行に行き、戻ってきたシェフたちが店を始め、独自のイノベーティブなメニューを提供しています。そのひとつが東京の目黒にあるRestaurant kabiです。ここでは、デンマークの北欧料理と日本料理の融合によって新潮流を生み出しています。

佇まいは日本家屋ですが、中に入ればオシャレな景観が広がります。日本では古くから発酵料理が盛んでしたが、nomaがあるデンマークでも日本から取り入れた発酵技術を使って作った味噌が人気を博しました。kabiでは日本のさまざまな食材を発酵させて独自の料理を作っていますが、それは発酵によって生まれているものなのです。発酵させた食品を他の食品と融合させ、料理にさらなる味覚と視点をもたらすのがkabi流です。その日の感情や発酵食品の良さ次第で味が幾重にも変わりますが、さまざまな「食」と言う芸術を作り出す現代アーティストのようにも感じられます。さらに、kabiではお酒を提供するときには必ずハードリカーを用いて新しい飲み物を提供するそう。飲食両方から、新潮流を生み出しているといえます。

食はイノベーティブな自分を表現する場所となり得る

このように、食は栄養を摂るだけのものではなく、見た目や香り、味などさまざまな方向から楽しむことができるのです。これまでの伝統手法を取り入れるだけではなく、それをもとに独自の新しい食のあり方を提唱し、食だけにとどまらず、さまざまな分野に影響を与えるプラットフォームだと考えられます。

食という舞台でどれだけ自分を表現出来るのか。それが料理人にとっての醍醐味であり、それを味わう美食家にとっての喜びだと言えます。今後、日本でも海外の食事と日本の食文化を織り交ぜた新潮流が生まれるかもしれません。その時、あなたがどう評価するのか。これが新世代を生きる世代にとって、ポイントだといえるのではないでしょうか。