日本のニューカルチャー「サウナ」の魅力


サウナといえば、汗をかいて二日酔いを覚ますためにおじさんたちが行く場所という、どことなく古くさいイメージを持っている人も多いかもしれません。しかしここ最近そうした状況が変わり、新たなカルチャーとして注目を集めるようになってきました。

そのきっかけのひとつとなったのは、2009年から連載が開始された漫画化・タナカカツキ氏の書籍『サ道』です。

本書では、サウナの正しい入り方をすることで多幸感が味わえる「サウナトランス」状態となり、それを「ととのった!」と表現することで多くの人が興味を持ち、従来までのサウナの印象も大きく変わってきました。

「サウナ」がなぜカルチャーといわれるのか

サウナが生まれたのは、今から6000~7000年前のフィンランド。そこに住んでいたフィン族による自然療法として登場しました。その後、洞穴サウナからはじまり現在まで、7世代に渡り進化をし続けています。

ちなみに同国では人口約540万人に対して約200~300万台ほどサウナが普及しており、日本の家庭にあるお風呂と同じような感覚で親しまれているそうです。

現在日本でサウナと呼ばれているものは、フィンランド式のドライサウナのことをさしています。サウナストーブの周りに木製のベンチを置き、室温を80度~100度ほどに保つスタイルです。

サウナで汗を流した後に、水風呂で体を覚まし休憩を取るという流れを3回ほど繰り返す温冷交代浴をすることで、毛細血管が伸縮し全身の血行が良くなり脳に大量の酸素が送り込まれます。それにより、快感ホルモンが分泌され「サウナトランス」が体験することができます。

まるで麻薬のような効果ですが、一番の違いは体に害が無くむしろ健康に良いというところです。そして、これこそがサウナの魅力だといえます。

こうした本来の正しいサウナの楽しみ方が広がってきたことに加えて、サウナストーブの上に積んだ石に水をかけて水蒸気を発生させるフィンランドのサービス「ロウリュ」や、スタッフがタオルを振り回し熱波を拡散するドイツ生まれの「アウフグース」といった本場さながらのサービスを提供する施設も増えてきました。

サウナにはリラックス効果があるといわれていますが、たとえばカフェでコーヒーを味わったりバーでお酒をたしなんだりするのと同様に、サウナ自体も一種のカルチャーとして見直され、新たなファンを獲得し続けてきているのです。

「サウナ」にはどんな効果があるの?

フィンランドでは、古くから体に良いとされてきたサウナ。リラックス効果以外には、どんな効果があるのでしょうか?

ひとつはサウナの高温で血行が良くなり、肩こりなどが改善するという効果が期待できるというところです。これはより多くの血が体中を循環することで、筋肉に流れる血液も増えるためです。

サウナの熱によってタンパク質が壊れてしまいますが、その代わりにHSPと呼ばれる別のタンパク質が増加します。このHSPにはタンパク質を修正するという特徴があり、それにより細胞を活性化して免疫力を高めることができます。

また、サウナの効果で血流が通常の2倍にもなり、酸素の摂取量が増えます。これにより、乳酸が分解され疲労を軽減してくれるという効果もあります。

これらに加えて、水風呂に入ることで皮膚が引き締まり、自立心希有も活発になるといった効果が期待できます。正しいサウナの入り方を学ぶことで、こうした様々な効果を得ることができます。

今や「サウナ」は交流のプラットフォームに

このように、サウナの正しい入り方が広まったことで、様々なサービスを提供する施設も増え、ビジネスマンや芸能人の間でも「サウナー」を自称する愛好家が増えてきました。

女優の北川景子さんは、1~2日おきにサウナに通うほどのサウナーであることを公言しています。また、ダウンタウンの松本人志さんは「サウナ部」を結成するほどの熱を入れようです。さらに、企業の中にも「サウナ部」が登場しているというニュースも耳にするようになってきました。

以前は、ビジネスのビジネス交流の場としゴルフなどが好まれていましたが、最近はサウナで意見を交換するというシーンも増えてきています。これには、サウナのリラックス効果がコミュニケーションを深めることに役立っているというのが理由のひとつといえそうです。

また、ビジネスだけではなく国際交流の場としても、このサウナが選ばれることがあるそうです。考えてみれば、温泉など日本の文化とは異なり、様々な国で親しまれているカルチャーでもあります。言葉や文化が異なる人たちを繋ぐ交流のプラットフォームとして、サウナはうってつけといえるのかもしれません。

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