【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド③】ファッションは現状打破がテーマ


リサーチ&アドバイザリー・ファーム Stylus (stylus.com)が発表した2019年に起こりそうなトレンドによれば、ファッション分野は伝統的なラグジュアリーブランドと新たなブランドのコラボレーションが進むと考えられています。

業界の垣根を破壊する

ファッション業界といえば、ファッションの専門家がパリコレなどのコレクションに出席し、評価をしてというものが主流でした。世界的に有名なデザイナーは死ぬまでずっと称賛され続け、伝統と格式を重んじる動きが見えるようになりました。

しかし、近年では、伝統と格式よりも、現状を打破してくる新しい発想のデザイナーが重宝されるようになりました。たとえば、大学では建築学を専攻している音楽プロデューサーの右腕のVirgil Abloh氏がLouis Vuitton Menswearのデザイナーとなったのは記憶に新しいところでしょう。同氏はファッションデザイナーとしての教育は受けていないにもかかわらず抜擢されています。

さらに、ファッションブランドのコレボレーションによる「オープン・ソース化」の事例も増えています。例えば、NikeのAir Jordanと米Vogue誌ではスポーツウェアとハイファッションの持ち味を活かして、Air Jordanを「編集」しました。Vogue誌編集版Air Jordanには、編集長Anna Wintour氏の「承認」のサインである「AWOK」の文字が入り、「edited by VOGUE」のタグがつくほどの力の入れようです。

ラグジュアリーブランドにスポーツブランドのデザイナーが就任し、格式のあるブランドでも先進性を取り入れたいという動きが見られたのも面白い動きでしょう。

また、日本でイメージしやすいのはルイヴィトンとSupremeのコラボやカルティエとコンビニのコラボで生まれたカルチエなどもあります。期間限定とはいえ、多くの人が詰め寄る人気ぶりで盛況を博しています。

異業種コラボによる伝統の打破も進む

また、異業種コラボが進んでいるのもファッション業界の特徴です。WikipediaとAdvisory Board Crystals(ロサンゼルスのストリートウェアのブランド)のコラボでは、背中に巨大なWikipediaのロゴをプリントした長袖のTシャツを発売。イメージの異なる2社の協業は人々から大きな注目を集めることとなりました。

さらに、UberとCharlotte Olympia(イギリスのラグジュアリーなシューズブランド)のコラボでは、キラキラしたウルトラハイヒールの代金695英ポンド(日本円で約10万円)の中に、500英ポンド(日本円で約7.2万円)分のUberのクレジットが含まれるというユニークな取り組みを行っています。

Charlotte Olympiaのハイヒールを履き、パーティのはしごをして足が疲れても、Uberで車を呼んで帰れるから安心というストーリー性を意識しています。「ヒールが高ければ高いほど、気分がよくなる」というCharlotte Olympiaのテーマを活かしたプロモーションだとも言えるでしょう。

日本でもファッションの異業種コラボは進む!

こういった潮流を受け、日本ではどのようなコラボが進むと考えられるでしょうか。実は、日本ではすでにBEAMSがさまざまな異業種コラボを繰り返していますし、ユニクロもキャラクターとのコラボを行うなど、さまざまな動きがすでに見られているのです。しかし、意外性のあるコラボは2019年にも進むはずです。

ファッション業界は今過渡期を迎えており、時代を経てもずっと受け入れられるファッションもあれば、時代とともに変わっていかなければならないものもあります。

One to Oneビジネスによって、新しいあり方のファッションブランドが増え、必ずしもハイブランドでなければならないという時代ではなくなり、自分にとってよいものを選ぶ意識が増えているのです。そんな中、これまでのハイブランドガシェアを維持し続けるためには、思いがけなさを重視していくことが重要なのです。

<2019年のマーケティングトレンド>
【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド①】食と健康がますます密接に
【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド②】美の分野は多様性が広がる
【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド④】旅行分野も「気持ち」に意識が向く

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