【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド④】旅行分野も「気持ち」に意識が向く


2018年、日本では旅行とテクノロジーを融合した新しいタイプの企業が注目を集めました。また、中国からメディカルツーリズムで日本に訪れるインバウンドが増えた年でもあります。さらに、ウェルネスツーリズム旅行が増え、オンとオフの切り替えをしっかりしたいと考える傾向が見られました。では、2019年の旅行のトレンドはどのようになるのでしょうか。リサーチ&アドバイザリー・ファームStylus (stylus.com)の発表を元にして考えてみます。

世代を超える旅行が2019年のテーマになるかも?

2019年は、世代「別」のおすすめの旅行をテーマにしたものではなく、異なる世代の人達が一緒に旅行するという家族のつながりが意識されそうです。ベビーブーム世代の祖父母と孫だけの「1世代スキップ」の休暇もありえると発表されています。

確かに、現在はどの世代の人にとっても受け入れられる施設が充実しつつあります。日本でも高齢者向けにバリアフリーの設計をしていますが、小さい子どもたちにも楽しめる施設が増えています。もともと日本では高齢化社会を意識した取り組みが行われているので、真新しさはないかもしれませんが、世界中で世代を超えてどの世代でも楽しめる施設が増えるのは嬉しいこと。これらは、世代を超えて交流したいという内面的な変化がもたらすものだと考えられます。

旅行にもミレニアル世代の潮流が

2019年は、ミレニアル世代を中心にエシカルの問題に敏感な人が増える可能性があります。エコ意識の高い旅行が好きな人達はサステナビリティへの関心が高いので、こういった意識が広まりそうです。

例えば、オランダのホテルグループEHPCは、同社が運営するデザインホテルW Amsterdamに隣接するX BANKは地域のクリエイティブ・コミュニティの発展を意識することで地域社会に貢献しようとしています。具体的には、顧客よりイノベーティブなデザインやユニークな試みを見たいという要望を受けて、オランダのアートやファッション、デザインを取り扱うブティック「X BANK」でギャラリー、イベント会場を兼ねた700平方メートルのスペースを提供しています。

また、2021年には世界初ポジティブ・エネルギー・ホテルがオープンする予定です。ノルウェーにオープンする予定のホテルSvartは、エネルギーの消費よりもエネルギー創出を目的としています。同社では、エネルギー消費を年間で85%も削減する一方で、ホテル建設や運営に足りるエネルギーを太陽光発電より生み出しています。こういったサスティナビリティを追求した旅行地にいきたいという人々の気持ちに寄り添えるプランを意識することが重要そうです。

日本の旅行分野は「気持ち」に寄り添うことが重要

2019年旅行客を引きつけるためには、自分たちの取り組みを今以上にわかりやすくプロモーションを行うことが重要そうです。旅行は「場所」を目的とするのではなく、「趣味趣向」やコト体験を意識したものに変化しているのです。

2018年は旅行場所や手配まですべてをAI(人工知能)が代わりに考えてくれる自動化が進み、コト体験がしやすくなった年ではありました。一方で、自動化によって決められたところに行くのが本当に自分にとってよいのか、自分の意向を反映しているのかという「気持ち」に対しての欲求が見られる様になった年でもあります。

もちろんビックデータをもとに趣味趣向に基づいてAI(人工知能)がプランを立ててくれることが悪いことではなく、すべてのサービスがテクノロジーに偏重しているというのは言い過ぎです。しかし、これまで便利だった分、今後は「人間性」や「気持ち」や「可能性」を重視してほしいという感情が湧いてくるのは致し方ないことです。とりわけ旅行分野は、日々の忙しさから開放され、ゆっくりしたい、自分らしさを解放したいという人が多いでしょう。

そういった意味では、ウェルネスツーリズムやメディカルツーリズムは2019年にも引き続き人々の気持ちを引きつけるものとなりそうです。これらにエコ意識をプラスしたアプローチはさらに人々の賞賛を得るものとなるかもしれません。2019年は人の気持ちを理解し、寄り添うマーケティングができる会社こそが勝機を掴むことになりそうです。

<2019年のマーケティングトレンド>
【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド①】食と健康がますます密接に
【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド②】美の分野は多様性が広がる
【2019年に起こりそうなマーケティングトレンド③】ファッションは現状打破がテーマ

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