個人起業家とは?メリット・デメリットを解説


日本でも「起業家(アントレプレナー)」という言葉を耳にする機会が多くなりました。しかし米国では、起業家ならぬ「個人起業家(ソロプレイナー)」が増加傾向です。米国中小企業庁(SBA)の報告によると2010年の時点で小規模ビジネスが2,790万件に達し、そのうち73.2%個人起業家だったといいます。

2019年の最新データでは3,070万件とさらに増え、ビリオネア(純資産10億米ドル以上)も生まれています。

起業家、個人起業家、フリーランスの違い

個人起業家も起業家であることに変わりはありません。ただし前者は、単独(ソロ)でビジネスを設立・運営し長期にわたり一つのプロジェクトを育てるなど確固たる信念をもってビジネスの構築に全力投球する人を意味します。また、単独で活動することを苦に感じずむしろ成功までのプロセスを楽しんでいる人が多く、事業が成長して従業員を雇用する規模になってからも組織のまとめ役としてリーダーシップを発揮する傾向にあります。

一方、後者は初期段階からチームやパートナーを組みビジネスの売却・買収を視野に新たな利益創出の機会を追究する傾向が見られます。そのためビジネスの構築よりも成長の後ろ盾となるネットワーキングを重視し、業務を各担当やアウトソージングに効率的に振り分けるなどマネージャーの役割に徹することが多いようです。
起業家としてビジネスの成功を目指している点は共通しますが、そこに到達するための手段や目的、役割が異なるというわけです。

また最初は個人起業家としてスタートし事業拡大とともに組織として活動する起業家に移行するケースもあるようです。
個人事業という点ではフリーランスと混合されがちです。しかしフリーランスは自分の仕事に対してクライアントから報酬を受けとり個人起業家は自身の資金やファンドから得たお金(投資)を基盤にビジネスを構築し、利益を生み出していく点が大きく異なります。ただし自らがボスとして、そして従業員として単独で仕事に取り組むという点は共通します。

副業しながらでもできる?メリット・デメリット

米国で個人起業家が増えている理由は「自分の可能性を試してみたい」「起業に憧れている」という人が増えているからです。印刷およびマーケティングサービス企業Vistaprintが2018年に実施した調査では、1,000人中62%が「自分で起業してみたい」と回答しました。しかし個人起業を検討するうえでメリットだけではなくデメリットも考慮する必要があります。

メリット

比較的簡単な手続き(日本においては開業届を提出するだけ)や低コストで起業できるため、自分の可能性を試すチャンスとして副業として立ち上げることもできます。利益をシェアする必要がなく法人に比べ確定申告も簡単で、自分の好きなようにビジネスを動かせる点が魅力です。

デメリット

ソロ活動には、ビジネスに関するすべての責任を自分一人で負うというリスクがあります。また、実績がないうちは投資家や銀行からの信頼も低く、事業拡大のための資金調達に苦労する傾向が見られます。ビジネスチャンスやコラボレーションにつながるネットワーク作りや新しいアイデアのインスピレーションを求め積極的な行動も大切になってきます。

あの著名ビリオネアも元個人起業家だった!

個人起業家になるとこれまでの知識や経験、スキルを活かし会計からマーケティング、カウンセラー、ウェブデザイン、あるいはまったく新しい商品やサービスまでアイデア次第でさまざまなビジネスを自由に展開できます。世界最大のインターネットオークションeBayのピエール・オミダイア会長など、個人起業家のメリットを最大限に活かしフォーブスのビリオネアリストに名を並べるまでに成長した元個人起業家も少なくありません。

フリーランスのプログラマーとしてキャリアをスタートさせたオミダイア会長は、当時の恋人(現夫人)の発言からアイデアを得て1995年に個人オークションサイトを立ち上げました。これがeBayの始まりです。4年後には販売商品総額約20億米ドル、ユーザー数200万人を超える巨大オークションサイトへと成長。1998年にはナスダックで上場を果たし6,300万米ドルの資金を調達しました。

オミダイア会長の2020年2月26日時点の純資産は約125米億ドル。フォーブスのビリオネアランキングで36位という個人起業家の大成功例です。その他、世界のセレブ御用達眉毛用コスメ「アナスタシア・ビバリーヒルズ」の設立者アナスタシア・ソアレ氏、シェイプウェアブランド「Spanx」の設立者サラ・ブレイクリー氏などが、個人起業家から1代で莫大な富を築きました。

「個人起業家の3~4割は1年で廃業」の壁を乗り越えられるか?

これらビリオネアの成功は、幸運や偶然の産物ではありません。SBAの推定によると小規模ビジネスの50%以上は設立1年以内に経営難に陥り個人起業家の30~36%は廃業する結果になるといいます。そのため市場の需要に合った斬新なアイデアを形にし個人起業家のメリットを最大限に活かしたビジネスを展開することが必要です。

同時にデメリットに屈することなく挑戦し続ける姿勢が予想をはるかに上回る大成功をもたらすものと推測されます。起業に興味がある人は、収入源を増やす目的で最初は副業からスタートしてみるのも一案ではないでしょうか。

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