学歴に代わる新しい指標、「学習歴」とは?


個人が学んできたことを表す「学習歴」。学歴に代わる指標として注目されつつある学習歴という概念について、本稿で詳しく解説します。

学習歴とは

「学習歴」はまだあまり広く知られていない概念であるため、学歴との違いがわからないという方もいるでしょう。ここでは、学歴について理解した上で、学習歴とは何かみていきましょう。

学歴とは

学歴は、従来の就職活動で重要視されてきた「どこの学校を卒業したか」という指標です。高等学校や大学、専門学校などの卒業資格の種類に応じて応募条件を設定したり、偏差値によって採用の可否を決めたりする企業は現代も多数存在します。実際に、高等学校よりも大学の卒業資格者の方が高度かつ実践的な知識を習得している割合が高く、就職活動でも有利な傾向があります。給与設定も最終的な卒業資格によって異なるため、その規定や風潮を負荷に感じる人も少なくありません。

学習歴で測られるもの

一方の学習歴とは、「実際に何を学んできたか、どれだけ実践的な知識を持っているか」という指標です。学歴は学校を卒業したという事実が重要ですが、学習歴は基礎的な学力に加え、個人勉強、課外活動などで得た知識や経験も評価されます。したがって、「これから挽回したい!」という人にとってはチャンスになり得る指標だといえます。さらに、学習歴は社会人になってからの仕事に関する知識やスキルを測る指標にもなります。社会人になっても継続的に勉強する人は多くありませんが、実際は学習歴の高さが社会的地位や年収に大きく影響を与えるといっても過言ではありません。

学歴社会から学習歴社会へ

日本では学歴社会のイメージが根強くありますが、ここ数年は学習歴を重視する動きも出てきました。ここでは、既に学習歴社会の構築が進んでいる海外の状況も合わせてご紹介します。

海外では既にスタンダード

学習歴を重視する取り組みの一貫として、マレーシアではブロックチェーン技術を活用して大学出身者の学位をオンラインで発行するシステムが導入されています。改ざんが困難なブロックチェーン技術を用いることによって、個人の正確な学習記録を証明することができるのです。この学位発行システムはアメリカのマサチューセッツ工科大学が実施しており、学校の内外で習得した知識を公的に証明できるシステムの開発・運用が世界的に定着しています。また、世界的な超一流企業であるGoogle社は社員のおよそ半数が大学卒業の資格を有していないといわれており、学習歴がいかに重視されているかがわかります。

日本における学習歴重視の流れ

海外と同様に、日本においても学習歴が注目され始めています。教育や介護の事業を展開するベネッセホールディングスの安達社長はサステナブル・ブランド国際会議2020横浜というイベントに登壇し、業務時間外に学習する日本人が他のアジア諸国と比較しても圧倒的に少ないことを示しました。また、「学歴ではなく、学習歴が重要視される社会にしていきたい」というメッセージを発信するとともに、生涯にわたってサステナブルに学び続けることの重要性を述べています。今後は他の多くの企業でもこうした考え方へのシフトが起こると考えられます。

学習歴を測るメリット

学習歴を作成して自分の知識を測ることで得られるメリットについて、以下で具体的に解説します。

可能性を数値化できる

個人の学習歴を可視化することによって、何ができる人なのか、どういった知識を習得してきたのか、などの要素を客観的に証明できます。就職活動でいえば、企業側は、学歴よりも信頼性に重きを置き、採用対象となる人材が自社に貢献してくれるかを判断します。実際に、リクルートキャリアが発行する就職白書2019では「企業が採用活動で重視する基準」の上位に「人柄」「今後の可能性」などの要素が並び、「大学/大学院名」は下位に位置します。学習歴を計測して数値化することは、就職活動の際に目標の企業へ入社できる可能性を高めることを促すメリットがあるのです。学歴自体に自信がなくても、努力してきたことや人柄をアピールする基準としても役立ちます。

継続的な学習習慣が身につく

学習歴は授業で勉強したことだけではなく、課外活動や個人的な学習も評価対象となります。もちろん、社会人になっても学習歴は積み重ねられるため、継続的に学習している人は職場にとって有用な人材になり得ます。学習歴を積み重ねることで世界に通用する人材に近づけると考えると、今からでも学習する習慣を身につける原動力となります。

学習歴を得るためのツール

より効率的に学習歴を得る方法として、「Studyplus」や「J.Score」などの各種ツールを活用することがあげられます。いずれも学習習慣を身につけられるサポート機能を備えたアプリのため、ユーザーの知識レベルに関係なく利用できます。アプリであれば通勤・通学時間に気軽に学習歴を記録することができるため、忙しい社会人や学生に向いている方法でしょう。飽きやすい人もゲーム感覚で楽しく取り組めます。記録忘れの対策として、通知機能やリマインダー機能を活用するのもおすすめです。

まとめ

学習歴が日本で注目され始めたのは最近のため、新しい大学入試制度のように学習歴を提唱する制度の普及は十分とはいえません。しかし、学習歴の積み重ねが就職活動や社会的地位の向上に役立つのは海外の結果からも明らかです。学校や職場で何を学び、どのような知識を得たのかを可視化できる学習歴は、今後日本国内でも重要視されていくのではないでしょうか。

 
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