アクティブ・リスニングとは?周りをポジティブに


「会議の内容がほとんど頭に残っていない」「仕事が覚えられず、ミスばかりしている」という経験をしたことはないでしょうか。それはもしかしたら、アクティブ・リスニング・スキルの欠如が主な原因かもしれません。

情報で溢れかえる現代社会、情報の必要・不必要を自動的に頭の中で振り分け、仕事を効率化するアクティブ・リスニングは、これからのビジネスパーソンがぜひ身につけたいスキルです。

アクティブ・リスニング-とは?

学習プロセスモデル「経験の円錐(Cone of Experience)」の考案者であるエドガー・デール博士曰く、多くの人は相手の話の25~50%程度しか記憶していないと言います。つまり、10分話を聞いたとしたら、注意深く聞いているのはせいぜい5分ということです。「会話の内容の半分も頭に残っていない」という場合、無意識のうちに注意力が散漫になっている可能性が考えられます。

アクティブ・リスニング(積極的な傾聴)とは、質問などを通し相手との会話に積極的に関与することで、理解力・洞察力を深めるためのコミュニケーション方法です。単に会話に耳を傾けるだけではなく、相手の発言や表情、仕草の一つひとつに注意を払い、確認のために質問する、あるいは必要に応じて自分の考えを表現するなど、「あなたのメッセ―ジをちゃんと理解しています」というシグナルを送ることに重点を置いています。

それと同時に、会話に100%意識を集中しエンゲージすることにより、頭の中で会話の内容や相手の真意を正確に理解・整理し、必要な情報と不要な情報を振り分ける目的があります。

こうしたスキルは、仕事の効率性やミスが個人や組織、顧客の利益に大きく影響するビジネスシーンにおいて、非常に重要な要素です。

アクティブ・リスニング・スキルのノウハウ

アクティブ・リスニング・スキルは毎日のちょっとした意識付けで、身につけることができます。

適度なアイコンタクトを交わす

相手と視線を交わすことで、リスニングに意識を集中させると同時に、「しっかりと話を聞いています」というメッセージを送ります。

ただし、話している間中、凝視されるのは相手にとって心地が悪いものです。また、「人と目を合わせるのが苦手」という人もいるため、話を聞いている時間の6~7割を目安にしましょう。

100%理解するために質問する

会話の中で不明瞭な箇所があると、話の内容を明確に理解することが困難です。「〇〇といったから、△△という意味だろう」などと勝手に解釈せず、「今の箇所をもう少し詳しく聞かせてもらえますか」と、相手の説明を求める積極性が重要です。

質問することにより、相手の真意に対する理解がさらに深まるでしょう。

「リピート=確認」をパターン化する

例えば、相手が「○○さんはとても勤勉だが、仕事の要領が良くないので期限通りにタスクを完了できない」と発言したとします。

「それは、○○さんの仕事に対する熱意は評価に値するが、タスク管理スキルを向上させる必要があると解釈して間違いないか」など、会話の内容を頭の中で整理してリピートすることで、相手の真意を理解できているかどうかを確認すると同時に、記憶にすり込む効果が期待できます。

判断を控える

自分の内部と対話をしながら、外部の話に100%集中することは不可能です。たとえ、相手の見解や話の内容に疑問や違和感を抱くことがあっても、会話中は判断を保留し聞くことだけに専念しましょう。

認識・学習する

自分のアクティブ・リスニング・スキルを向上させるために、他人のアクティブ・リスニング・スキルを認識するという方法もあります。

例えば、テレビのインタビューを見て、インタビュアーのアクティブ・リスニング・スキルを観察します。アクティブ・リスニングが上手なインタビュアーからはスキルを学び、アクティブ・リスニングができていないインタビュアーからは、改善点を学びます。

アクティブ・リスニングがもたらす未来

アクティブ・リスニング・スキルを習得すると、話の内容を明確に理解し、他者の視点から共感をもって対応できるようになります。また、会話の切りだし方や進め方が上手くなるため、「あの人と話をすると心地よい」という印象を周囲に与えることができます。

特に職場においては、相手を理解し受け入れ、共感を示すことが、チームあるいは組織全体の信頼関係やエンゲージメントを強化し、モチベーションや生産性の向上につながるでしょう。

話の内容や相手の真意を正確に理解することで重要ポイントが明確化されるため、誤解や聞き漏れによるミスが減り、効率よく仕事を進めることができます。洞察力や理解力、忍耐力といった、重要なビジネススキルの強化にも効果的です。

こうしたポジティブな職場環境はストレスを感じることが少なく、メンタルヘルスの向上にも役立つでしょう。

今日からアクティブ・リスニングを実践することで、自分だけではなく周囲にもポジティブな影響を与えることができるのではないでしょうか。

Photo by naka on AdobeStock.com

 
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