マインドフルネスを有効化する「セルフ・コンパッション」とは?


自己啓発法として話題のマインドフルネス。次のステップに進む上で重要な要素が「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」です。

マインドフルネスを習慣化したとしても、そこからアクショナブルな見識を得られなければ「自己観察」の域を超えることは難しいでしょう。しかしマインドフルネスを通して現在の自分を知り、セルフ・コンパッションを育むことで、より実りの多い人生を送るための行動に移すことができます。

マインドフルネスの恩恵、十分に活かせている?

様々な定義がありますが、先入観をもったり批判的になったりせず、自分の思考や感情、身体の感覚、周囲の環境に注意を向けることにより「現在の自分」を知ることがマインドフルネスの目的です。

しかし、マインドフルネスの効果があまり実感できず「現在の自分について知ったところで、何がどう変わるのか?」という疑問を抱いている人も、少なくないのではないでしょうか。

見落とされがちなポイントですが、マインドフルネスの恩恵を十分に活かすためには、現在の自分を知り、そこから一歩先に踏みだす必要があります。

マインドフルネスを有効化する「マインドフル・セルフ・コンパッション」

セルフ・コンパッション(Self-Compassion)は、マインドフルネスで気付いた自分の長所と弱点を受け入れ、あるがままの自分を肯定するために欠かせない要素です。多くの人にとって、自分の弱点と向き合うには勇気が必要です。しかし自分の弱さと向き合うことで、初めて本当の強さが生まれるのです。

セルフ・コンパッションは「失敗した時や苦しい時、自分自身に優しく接する」「自分の苦痛を人間の成長の一環として知覚する」「痛みを伴う感情や考えを心に留める」という仏教の思想に基づくアプローチです。米デューク大学の研究などから、セルフ・コンパッションのある人は、社会的つながりや感情的知性、幸福、人生の満足度が高い傾向が見られるなど、心の健康との関連性が立証されています。

マインドフルネスとセルフ・コンパッションを融合させるという概念は、マインドフルネスと心理療法の権威であるクリストファー・ジャーマー博士と、セルフ・コンパッション分野のパイオニア、クリスティン・ネフ博士が、共同で提唱しているものです。

固定観念にとらわれて自分に必要以上のプレッシャーをかけたり「どうしてできないのか?」などと自分を責めたりする代わり、自らを励ましてモチベーションを上げることが目的です。自分に対する肯定感が上がると何事にも自信がつき、仕事やプライベートでポジティブな連鎖作用を実感できます。

セルフ・コンパッションを習慣化する3つの方法

セルフ・コンパッションを身につける、あるいは高める手段として、心理療法士などの専門家は以下の3つの方法を提案しています。

1.失敗も成功と同じように容認する

「いい大人なのに」などと固定観念にしばられず「一生涯通して学ぶことは沢山ある」と失敗も成功もすべて容認しましょう。「完璧な人間は存在しない」「誰にでも得意・不得意がある」という当然の事実を、頭の中だけではなく心でもしっかりと受けとめることで、失敗を恐れず、学習の機会ととらえることができます。

2.周囲だけではなく、自分にも労いの言葉をかける

「周囲の人には労いや励ましの言葉をかけるのに、自分には批判的な言葉しかかけられない」という人は、周囲を労うように、自分の努力を素直に認めてあげる習慣をつけましょう。
一生懸命に頑張っている自分を労うことは、努力を怠っている自分を甘やかすこととは異なります。

3.グロース・マインドセットに切り替える

グロース・マインドセットとは、スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドウェック博士が提唱する「自分の才能や能力は、努力で伸ばすことができる」という考え方です。
成長思考に切り替えることで、例えば「自分の弱点は努力次第で克服できる」と自分を励ましながら、問題や課題に前向きに挑戦できるはずです。

セルフ・コンパッションを身に付けると、不安や不満、ストレスといったネガティブな感情が軽減されて気持ちに余裕が生まれるため、周囲にも労う気持ちをもって接するようになるなど、様々な変化を実感できるかもしれません。また、自己肯定は自信やモチベーションの向上にもつながります。
自分への思いやりを忘れず、過去・現在・未来の自分自身にポジティブなイメージを抱くことで、マインドフルネスの効果を最大限に感じられるのではないでしょうか。

Photo by buritora&aijiro on AdobeStock.com

 
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