自責思考と他責思考の理解がリーダーシップを加速させる


30代になると、職場内でマネジメントスキルやリーダーシップが求められる場面が増えてきます。しかし「今すぐ部下を引っ張っていけるだけの力が欲しい」と願っても、一朝一夕には身につきません。リーダーシップはさまざまな経験の中であらゆることを考えながら行動して、やっと身につくものです。ではどのような経験や思考が必要なのでしょうか。適切なリーダーシップに必要な「自責思考」と「他責思考」への理解を深めていきましょう。

自責思考と他責思考について

自責思考と他責思考について「自責思考がなければ成長できない」「他責思考はよくない」といった言説が見られます。しかし、どちらかが良い悪いと簡単に決めつけられるものではありません。ビジネスにおいては、どちらの思考法も大切です。ただ一方に偏った考え方では「解決すべき真の課題」に気づけないことが多々あります。

自責思考とは

自責思考とは読んで字のごとく、自分に責任を求める思考のことを指します。自責思考では、問題が起こったときに自分の責を探し、問題の原因を探っていきます。例えば、長く取引を続けていた顧客が他社のサービスに乗り換えてしまったとき、自責思考では「これまでの自分の行動の中に、他社に乗り換えたくなるようなものはなかったか」「自社サービスに至らないところはなかったか」を洗い出します。

他責思考とは

自責思考と真逆にあるのが他責思考です。前述の例でいえば「取引先の予算の問題で他社に乗り換えたのでは」といったように、他に責を求めます。自分ではなく他に責を負わせてしまうこの思考は、ビジネスの面では歓迎されないことが多いようです。

なぜ他責は嫌がられるのか

他責に偏った思考を持つ人は、リーダーシップを求められる場面においては特に嫌悪感を抱かれがちです。チーム内・社内で何か問題が起こったとき、自分の保身だけを考えて他のメンバーに責を負わせようとする人間に付いていこうと思う人はあまりいない、ということは感覚的に分かるでしょう。

新入社員が取引先で失言をしてしまったとします。自責思考のあるリーダーであれば「自分の監督不行き届き」と先方に謝罪するでしょう。他責思考ではどうでしょうか。「まだ若く礼儀知らず」などと、新人の至らなさを指摘するような形で謝罪するでしょう。

リーダーに求められる自責思考それで本当にいいのか

前述の新人社員の立場に立ったとき、どちらのリーダーについていきたいと思うか、その答えは明白です。「部下の失敗は上に立つ者の責任」「社員の失敗は経営者の責任」と考える自責思考を持つ人は、他人を責めない点で他者に不快感を与えることが少ないと考えられます。しかし「他責に偏る思考」と同じように「自責に偏る思考」にも問題があります。

自責で終わらせてしまっては解決できない課題も多々あります。ビジネス上で発生したトラブルの原因には自分とは関係のない他の要因が含まれていることも少なくありません。一つの課題に対して、自責思考でのみ検証を行うのではなく、あらゆる方向から仮説を立てて解決策を講じる必要があります。

過剰な自責がパフォーマンスの低下を招くことも

自分を責める行為に没頭してしまうと、メンタル面に影響を及ぼして業務のパフォーマンスの低下を招くこともあります。自責思考と同時に他責思考も持ち、心のバランスを取りながらリーダーシップを発揮していきましょう。

優秀なリーダーに求められるのは「しっぱなし」のない思考

これまで「他責思考の人間は成長しない」と教えられてきたビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。確かに人のせいにばかりしては成長しません。しかし、自分のせいにばかりする思考も成長を妨げます。

自分のせい、あるいは他人のせいに「しっぱなし」では優れたリーダーにはなれません。自責思考と他責思考を織り交ぜ、失敗の原因を冷静に見極めて改善する努力が必要です。「自分も悪かった、一方でほかにも原因はなかったか、をバランス良く考える習慣を身に付けていきましょう。

必要なのは思考のバランス

急な人事異動でリーダー的立場に抜擢されたとき、すぐにリーダーマインドを獲得できるビジネスパーソンは多くないでしょう。リーダーシップは、日々さまざまな努力をし、経験を重ねた先に獲得できるものです。

部下に慕われながらも組織を成長に導くリーダーシップを持ちたいのなら、自責思考と他責思考をバランスよく持ちましょう。ミスやトラブルがあった際、自分だけ、あるいは相手だけが悪いという思考で終わらせないことが大切です。

Photo by christianchan&Rido on AdobeStock.com

 
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