データサイエンティストの順位が上昇。AI時代に必要とされる能力とは


2018年に株式会社ヴォーカーズが調査した2017年度「待遇の満足度が高い職種ランキング」によると、第1位が情報・技術系の最高責任者であるCIO・CTOでした。ついで、第2位が経理・財務系の最高責任者であるコントローラー・CFOといった経営に近い管理職が上位にランクインしています。待遇の満足度が高い職種は時代と共にどう変化してきているのでしょうか。

注目のデータサイエンティストとは?

冒頭の調査結果の中でも、特に注目したい職業が第9位にランクインした「データアナリスト・データサイエンティスト」です。このデータアナリストやデータサイエンティストというのは、インターネットのビッグデータを分析して革命的なアイデアを生み出す職業のことを指しています。

インターネットを活用した多くのビジネスが登場してきたということもあり、他社との競争に勝つためにサービスや業務の改善を常に行っていく必要があります。そんなときにデータアナリストやデータサイエンティストによるデータ分析を元に行っていくことで、より効率よく事業を進めていくことができるのです。この職種はまだ歴史が浅く、その分野の人材が不足しているため、多くの企業から引く手あまたの状態となっています。

ちなみにデータサイエンティストは、アメリカのビジネス誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』が、今世紀最もセクシー(魅力的)な職業として紹介されています。さらに、NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の「新しい職業スペシャル」にも取り上げられるなど、メディアからの注目度も高まっている職業です。それだけに、2017年の満足度が高い職種ランキングでトップ10に入ってくることも十分うなずけます。

AI時代到来で将来的にはなくなる職業も

「AI元年」といわれた2017年ごろより、AI(人工知能)を利用した多くのサービスが登場してきました。今回ランキングに入った職種の中にも、将来的にはAIに置き換わってしまうものも出てくるといわれています。

たとえば、上記にあげた「データアナリスト」や「データサイエンティスト」の分野でもAIの導入が進んでいます。AIを利用したデータ解析は、人の手で行うよりも大幅に時間の短縮が行え、すぐに活用できるところが最大の魅力です。

しかし、時間をかけずに解析したデータは、人が理解するのが難しくブラックボックス化してしまう場合があります。また、実際にデータを使用する人に納得してもらうためにも、最終的には「人の力」を使ってAIから導き出されたデータをどのように活用するかを考えていくことが重要です。

今後はAIに置き換えられない能力が重要に

人が物事を判断するときは、論理的なことよりも感情が優先されるといわれています。たとえば、人間味がまったくないAIや機械におすすめされたものよりも、友人や恋人に頼まれたほうを選んでしまう傾向です。そのため、どれだけAIが発達しても、人とのコミュニケーションが重要な職業は将来なくならないといわれています。

弁護士やカウンセラー、経営コンサルタントなどの職業では、人に共感や納得してもらうことが必要です。また、状況に応じた重要な判断を下す必要がある経営者や、クリエイティブな面で活躍するミュージシャンやデザイナーといった職業も、AIに置き換えられることなく残っていく可能性が高いでしょう。

安定を狙うよりも変化に対応する力が必要

わずか10数年前に本屋に並べられていた雑紙の多くは、現在ウェブに取って代わりその姿を消してしまいました。携帯電話ひとつとっても、フィーチャーフォンの時代からスマートフォンへ移り変わり、既存のサービスがなくなり新たなものが登場してきています。

このように、ちょっとした時代の変化で仕事やサービスなどが影響を受ける例は数多くあるのです。今後も新たな波が訪れ、その都度従来の仕事に置き換わる新しい仕事が生まれてくる可能性は高いでしょう。また、将来的にAIが担う職種というものも増えていくかもしれません。しかし、時代の状況に流されず、環境に合わせた変化に対応する人間のマネジメント能力は今後も重要になってくるでしょう。

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