インシュアテックとは?海外事例2選も紹介


フィンテック(FinTech)と聞いてイメージするものは何でしょうか。多くの人がイメージするのは、キャッシュレス決済や仮想通貨などかもしれません。これらは主に「銀行のテクノロジー化」です。一方であまり目立っていませんが「保険Tech」と呼ばれるインシュアテック(InsurTech)も押さえておきましょう。インシュアテックは保険のテクノロジー化です。

「保険好き」と呼ばれる日本人ですが、インシュアテックは日本でも広まるのでしょうか。そこで本記事ではインシュアテックの2つの海外事例をもとに今後日本で浸透するのかについて解説します。

インシュアテックとは何か?

インシュアテックという言葉をご存じでしょうか。保険を意味するインシュランス(Insurance)と技術を意味するテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語でフィンテックの一種です。保険は金融商品の中の一つですが、手続きや検討プロセスなどは基本的に複雑で手間がかかるものでした。またリスクに応じて掛け金が変わりますがリスクを個別に算出しにくいことがデメリットです。

しかしテクノロジーの発達によりデジタル上で手続きを行えるようになったりビックデータ解析により個別リスクが算出できるようになったりするなど、これまでできなかった範囲も保険でカバーできるようになりつつあります。インシュアテックが保険業界にも新しい旋風を巻き起こしているともいえるでしょう。

事実、2019年2月にはアメリカの保険大手アフラックが日本でスタートアップ企業へ投資を拡大するなどインシュアテックは徐々に注目を浴びつつあります。具体的には3~4年で約220億円をインシュアテックへ投資していく予定です。

インシュアテックが進む?海外の事例2選

インシュアテックの躍進に伴い、どのような新しいサービスが生まれているのでしょうか。インシュアテック先進国であるアメリカやヨーロッパの事例を見てみましょう。

保険を作ることができる!「Bought By Many」

「Bought By Many」は、イギリス生まれの保険で従来型の保険とは一線を画したサービスを提供しています。なぜなら従来の保険は「保険会社が作ったものを選ぶもの」でしたがBought By Manyの場合は「多くの人が望む保険を保険会社に交渉する」形になるからです。ペット保険やスポーツ保険など細かいセグメントに保険が分けられていることも特徴です。

その保険に賛同すれば通常の保険より安く加入できるようBought By Manyが保険会社と交渉するというスキームです。

乗った分だけ払う「Metromile」

Metromileは、アメリカ生まれの保険サービスで自動車保険をオンデマンド型にしたものです。通常自動車保険は定額のケースが多いですがMetromileは「固定費と乗った分だけ自動車保険を支払う」というものです。

MetroMileは、自動車に専用のデバイスをとりつけ走った距離を計測することで保険の金額が決まることが特徴です。IoTが発達するにつれてこのようなオンデマンド型の保険が増えてくるかもしれません。

日本でもインシュアテックは進むのか?

海外で浸透しているインシュアテックは、日本でも普及していくのでしょうか。2018年5~7月に行った矢野経済研究所の調査によると日本のインシュアテックの市場規模は、2017年度時点で600億円です。これが2020年度には1,220億円、2021年度が1,790億円と急成長していくことが見込まれています。

そのため一定のニーズがあるといえそうです。実際日本発のインシュアテックも生まれています。損保ジャパン日本興亜損保が手掛ける「PORTABLE SMILING LOAD」は、安全運転をするかどうかによって保険料が変わる保険です。事前にスマホで安全運転度を診断し、それによって保険料が安くなる可能性があります。

2019年時点でインシュアテックに関する件数は少ない傾向ですが、市場規模の拡大に伴い徐々にこういったサービスは増えてくるのではないでしょうか。「保険好き」の日本人だからこそ案外インシュアテックの普及は早いかもしれません。

インシュアテックは今度成長する産業

フィンテックの決済や仮想通貨ばかりが注目されていますが、保険のテクノロジー化であるインシュアテックも注目の産業の一つです。2020年には日本の市場規模が1,000億円を超える見通しになるなど着実に規模が拡大しつつあります。新しいサービスも欧米を中心に生まれているため、今後保険業界はインシュアテックを中心に動くことになるのではないでしょうか。

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