世界のけん玉パフォーマー!ず〜まだんけ児玉健さんの「ターニングポイント」Vol.1


古き良き日本の伝統遊技”けん玉”を現代風にアレンジし、新しい楽しみ方を提唱するパフォーマンス・コンビ『ず〜まだんけ』のコダマンこと、児玉健さん。そのエンターテイメント性の高い芸術的なプレイは、日本のみならず世界中から高い評価を得ています。また、『人狼ゲーム』の主宰という、もうひとつの顔もおありです。二つの顔を持つ児玉さんの生き方やターニングポイントをお聞きしました。

児玉 健
プロけん玉パフォーマー、人狼ゲームマスター
1980年、大阪府生まれ。リクルート系不動産会社を退社後、仕事を遊びに、遊びを仕事にするべく活動開始。
大人がリアルに遊べるゲームスペース「ドイツゲームスペース@Shibuya」「人狼ルーム@Shibuya」を経営。
また、舞台「人狼ザ・ライブプレイングシアター」のゲームアドバイザー、TBSテレビ番組「ジンロリアン~人狼~」や
カードゲーム「はじめての人狼」の監修、リアルイベント「アルティメット人狼」「大人狼村」などを主催。
また、けん玉パフォーマンスコンビZOOMADANKEとして、年間100ステージを超えるパフォーマンスを行う。
ハワイ、ブラジル、ミラノ、台湾、マレーシアなどでパフォーマンスを行い、
日本だけでなく世界からも高く評価され、活動のフィールドを拡大中。
NHK、Eテレ「ニャンちゅうワールド放送局」でけん玉侍としても出演中。
2016年NHK「第67回NHK紅白歌合戦」、2017年NHK「第68回NHK紅白歌合戦」出演。
https://twitter.com/kdmn88
https://www.facebook.com/kdmn88
https://www.youtube.com/user/zoomadanke

 

アメリカのKENDAMAスタイルが、日本に逆輸入

――日本人なら誰もが知っているけん玉に、音楽とダンスを融合した連続技でハイレベルなパフォーマンを魅せる児玉さん。教育機関や商業施設、近年ではテレビ出演も増え、年間100を超えるステージでさらなる普及活動に尽力していらっしゃいます。

おかげさまで、全国さまざまなところから声をかけていただくようになり、活動のフィールドを着実に広げています。2017年の夏にはアメリカのサンフランシスコで開催したJ-POPサミットにもパフォーマンス部門の代表として呼んでいただきました。文字通り、日本のカルチャーを海外の人たちにもっと知ってもらおうというコンセプトのイベントなのですが、今回、僕たちは現地で活動するけん玉USAのメンバーとコラボをして舞台に上がりました。これまでもイタリアのミラノで催された世界のエキスポや、タイ・バンコクのジャパンエキスポにも参加しています。現地来場者のリアクションはいつも好意的でめちゃめちゃ盛り上がるので、やる側としてもとてもありがたいですし、うれしい気持ちになりますね。

――けん玉USAというチームがいるんですか? アメリカでも日本のけん玉は人気なのでしょうか?

アメリカだけではなく、世界中で注目されつつある”TOY”です。なんと、けん玉のプロチームも世界各地にあるほどで、大きな大会も行われています。もはや、日本古来の玩具という枠を飛び越えて、海外ではおしゃれなスポーツの一種という認識に近いかもしれません。ここ日本ではけん玉って昔の子どものおもちゃっていうイメージがあって、室内でコツコツやるどっちかというと地味なイメージですよね。

しかし、海外ではかっこいいモノという位置づけなので、自分の好きなようにフリースタイルでプレイするのが主流なんです。しかも、室内で遊ぶのではなく、たとえば崖の上や美しい湖畔のほとりだったり、人が行き交う騒々しい街の中心など、彼らが撮影した映像を見ると本当に自由に楽しんでいるのが伝わってくるし、けん玉の玉が青い空に浮いていたりして、こんな見せ方があるのかと目からうろこでした。

世界中に知れ渡る発端となったのは、アメリカ人の有名プロスキーヤーが来日したことでした。彼がお土産として持ち帰ったんです。それを自身のDVDのボーナストラックで、彼なりのKENDAMAスタイルを披露したところ、「あれは一体なんだ?」とちょっとした騒ぎになって。それでGoogleやYouTubeで検索したら日本の玩具ということにたどり着き、そこから一気に火がついたと言われています。海外にはエクストリーム・スポーツと呼ばれる危険や華麗さ、離れ業を売りとするスポーツがいくつもあるんですが、そんなおしゃれな彼らの自由気ままなストリート・カルチャー魂が、けん玉の新しい側面を引き出してくれたんだと思います。

――フリースタイルを愛するアメリカだからこそ生まれた発想なんですね。日本でも数年前からブームの広がりをみせていますが、逆輸入された形なんでしょうか?

おっしゃる通り、2013年ごろから始まった日本でのブームは、彼らの影響が大きいです。日本人でけん玉を知ってる人は多分、1億人ぐらいはいると思うんです。全人口の95%は知っているか、あるいは実際に遊んだ経験もあるはずなんですけど、ほとんどの人は口をそろえてこう言うんですよ、「難しい」と。海外のプレイヤーたちもすごく不思議がっていて、「日本発祥のTOYなのに、なぜできないんだ?」って。ブラジル人がサッカーができないのと同じような違和感を持ってるんです。

けん玉は日本人にとってすごく身近なものなのに、コツを教える人がいなかったんですよ。児童館や学校の片隅に必ずあったものだけど、先生が教えてくれた記憶は僕にはありません。やり方がよくわからないから、いつしか誰も遊ばなくなってしまったんです。よく、「子どものころから英才的に学んできたんですか?」とか「何年ぐらいやればそこまで上手になるんですか?」と聞かれるんですけど、コツさえつかんでしまえばあっという間で、2年もあれば形にできます。現在、世界一のプレイヤーは、始めて2年やそこらで優勝しました。こんな短期間で世界に通用する競技は、けん玉以外ないと思いますよ。

ず〜まだんけのオリジナルブランドを立ち上げ!けん玉を多くの人に広めたいと切に願う

――オリジナルブランドを作られたとお聞きしています。どうしてオリジナルブランドを作ろうと思われたのか、教えていただけますか。

ず〜まだんけを知ってからけん玉を始めたい!と思った人には、やっぱりず〜まだんけのオリジナルけん玉があったほうが買いたくなるかな、と。けん玉を一人でも多くの人に始めて欲しいと言う思いからです。

https://youtu.be/Dy_ZLLB6PcM
©ず〜まだんけ

――オリジナルブランドはタミワ玩具株式会社さんのTK 16 ORIGINALの新モデルとしてコラボ商品を発売されたんですね。どうしてそうしようと思われたのですか。

理由はいくつかありますが、TK16さんは近年デザインを変え、新しい現代のけん玉にキャッチアップしていこうとしていること。国産にこだわっているところなど、ですかね。青と赤はコンビのイメージからですね。青にはコダマン(児玉さん)の、赤はイージー(相方の飯嶋さん、以下イージー)のカードが入ってます。

――制作にあたってどのようなところが大変でしたか。こだわった点なども教えていただけますか。

たくさんのけん玉があるなかで、今までにないデザインにするのがなかなか大変でした。世界中のけん玉を知ってるので(笑)こだわったところは、やはり買いやすい値段!初心者がやりやすい玉のラバー加工ですね。

――実際の反響はいかがでしょうか。

反響はいいですよ。初心者から有段者でも使いやすく、コストパフォーマンスもよいと。今までにないっていわれますね。海外はメーカーさんの意向にもよりますが、これからですね。知り合いの海外のけん玉仲間からはやばいデザインだね!と言われますよ。

――ご自身のパフォーマー、先導者としての気持ちや心意気などに、何か変化はありましたか。

基本的には変わりません。今までのスタンスの延長にできたけん玉ですから。でも、実際にプレゼントしたり、買ってくれた人がとても喜んでくれるので嬉しいですね。けん玉ファンというよりはコダマンファンのけん玉初心者の方が買ってくれるその瞬間に思うんです。やっぱり作ってよかったと。

これからもこの世にまだないコラボをしていきたいですね。まだまだありますから。たとえば、テクノロジー×けん玉、映像×けん玉、ドローン×けん玉などなど、とにかく今話題のものとどんどんコラボしてけん玉の面白さをいろんな業界に広めていきたいと思っているんです。

>>Vol.2では児玉さんとけん玉の原点に迫ります。児玉さんはどのように考え、現在の道に進むことにしたのでしょうか。

(聞き手:永原 由香子 撮影:髙橋 明宏)