ギャップイヤーを経て新しい道へ!児玉健さんの「ターニングポイント」Vol.3


ギャップイヤーを設けて、社会的見聞を広げた

――勇気ある決断の末、退職するに至った児玉さんですが、運命のけん玉と出会うまでの約1年間は、どのように過ごしていらっしゃったのでしょうか?

まず、妻と相談して2つのことを決めました。1つは半年間は絶対に働かないということ、2つめは退職金を貯めないで使い切ること。最初の3カ月間は手っ取り早く2人で海外へ行きました。一番印象に残っている国は、なぜかトルコです。2週間も滞在するとやることもなくなるので、講演のベンチ絵で昼寝をしたり本を読んだりと贅沢な時間がたくさんありました。

ギャップイヤーというのを、ご存知ですか?イギリスの大学制度の習慣の1つなんですが、次のステップへ進む期間をあえて長く設定することで、その間に学校では得られない経験をすることが推奨されています。空白の時間をボランティア活動や旅行などに費やすことで、社会的見聞を広めようという試み。せっかく時間もあることだし、自分でそのギャップイヤーを作ってみたんです。そしてゆっくり旅をしながら、今後のことを考えてみよう、自分はなにがしたいのか?を突き詰めてみようと思いました。

そうする中で、ざっくりとですが娯楽産業に興味が沸きました。昔からおもちゃが好きでしたし、娯楽という大きなくくりからまずは攻めてみようと思いました。帰国後、知り合いの知り合いまで声をかけて、娯楽関係に就いてる人を紹介してくださいとお願いしました。プリクラの機械を作ってる会社、アニメの製作会社、有名玩具メーカーなど、アポを取り付けて話を聞きに行く。まるで、OB訪問みたいな感じです。しかし、話を聞いてもあまりしっくりこなかったんですよね。だったら、話を聞くだけではなく自分で一度勉強してみてはどうだろう。そうすることで、なにか見えてくるものがあるかもしれないと思ったんです。

結果が出なくても仕方がない、とりあえず頭の中にあることをやってみることが大事

――なるほど。それでおもちゃコンサルタントの資格を取ろうと思われたんですね。そして、相方となる飯島さんと、運命的な出会いを果たした、と。

そうです。資格を取るために勉強を始めて、そこで飯島くんと出会ってけん玉の面白さを知ることになりました。同時期に、都内のおもちゃ屋を片っ端から回っては、店主にどんなものが流行っているのか話をうかがったり、けん玉のような日本古来のおもちゃはあるのか、海外の定番ゲームにはどんなものがあるのかなど、ありとあらゆる商品についても調べ尽くしました。そしてやっとたどり着いたのがボードゲームと人狼ゲームでした。

ボードゲーム、またはドイツゲームとも言うのですが、つまりはアナログのゲームのことです。4人対面でサイコロを振ったり、カードを出したりする、日本だと人生ゲームなどが当てはまります。世界にはまだまだ日本人が知らない面白くてわくわくするようなゲームが山ほどあって、それをなんとかして広めたいと思ったんです。それから人狼ゲームと言うのはご存知の方も多いかと思うのですが、村に潜む人狼を捕まえようとする人間と、正体を欺いて村を滅ぼそうとする人狼の、言葉を尽くした頭脳戦ゲーム。より楽しく嗜むには8人以上のプレイヤーが必要となるのですが、友達を誘わずに1人でも参加できる環境を整えることと、その舌戦を繰り広げる空間を提供することを思いつきました。

――人狼ゲームは、密かなブームとなっていて、関連書籍なども出ていますよね。

はい。僕が目をつけた当初は知らない人が多かったのですが、結果的に僕が先頭に立って宣伝するようになってから、人気に火がついた形です。この現象はとても励みになりましたし、仕事の糧となっています。

ボードゲームをただ売るだけでは真新しさもなければ誰でもやれること。そこでひらめいたのが「遊ぶスペースを提供してみてはどうか」と。7年前の当時は日本中どこを探しても、そんな店は1軒もありませんでした。ならば、僕が作ってしまおうかなと。自分は娯楽業界での実績がないのだから結果が出なくても仕方がない、とりあえず頭の中にあることを実際にやってみることが大事。ビジネスとして成り立たせる挑戦をしてみようと思い立ったんです。不安がなかったといえば嘘になりますが、なぜか絶対的な自信のほうが優っていような気がします。そして2011年6月に『ドイツゲームスペース@Shibuya』をオープンしました。

――けん玉パフォーマンスコンビ「ず〜まだんけ」で活躍すると同時に、ゲームマスターとしてプレイ専用の店を開業した児玉さん。6年経った今、経営は順調ですか?

はい、おかげさまでとても充実しています。僕にとってボードゲームもけん玉も仕事である以前に趣味として大好きなものなので、一生飽きることはありませんし、一生追求していくもの。どちらも好きを形にできたことを誇りに思っています。

 

>>Vol.4では児玉さんの考え方や今後の思いについてお聞きします。児玉さんの今後の強い思いとはどのようなことなのでしょうか

児玉 健
プロけん玉パフォーマー、人狼ゲームマスター
1980年、大阪府生まれ。リクルート系不動産会社を退社後、仕事を遊びに、遊びを仕事にするべく活動開始。
大人がリアルに遊べるゲームスペース「ドイツゲームスペース@Shibuya」「人狼ルーム@Shibuya」を経営。
また、舞台「人狼ザ・ライブプレイングシアター」のゲームアドバイザー、TBSテレビ番組「ジンロリアン~人狼~」や
カードゲーム「はじめての人狼」の監修、リアルイベント「アルティメット人狼」「大人狼村」などを主催。
また、けん玉パフォーマンスコンビZOOMADANKEとして、年間100ステージを超えるパフォーマンスを行う。
ハワイ、ブラジル、ミラノ、台湾、マレーシアなどでパフォーマンスを行い、
日本だけでなく世界からも高く評価され、活動のフィールドを拡大中。
NHK、Eテレ「ニャンちゅうワールド放送局」でけん玉侍としても出演中。
2016年NHK「第67回NHK紅白歌合戦」、2017年NHK「第68回NHK紅白歌合戦」出演。
https://twitter.com/kdmn88
https://www.facebook.com/kdmn88
https://www.youtube.com/user/zoomadanke