世の中のアイディアの加速装置になれるように。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.3


>>「マクアケ(Makuake)」中山亮太郎さん Vol.1 世界の中の日本を知ったことがMakuakeの出発点
>>目指したのは、チャレンジする人が思い切れる仕組み。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.2

求める人たちにしっかり伝わる表現ができていれば、クラウドファンディングきっとはうまくいく。

―成功するチャレンジに傾向のようなものはありますか?

単純におもしろいと思ってもらえるアイディアであることはもちろんですが、サイト上でちゃんと魅力を見せられているかというところも非常に大きいですね。アイディアをどんなふうに見せていくかを全体的に考えていく必要があって、そこができてさえいれば、Makuakeでのクラウドファンディングはかなりの確率でうまくいきます。そのためには、自分のアイディアを望んでいるのはどんな人なんだろうというリサーチがしっかりできていること、そして、その人たちに対して伝わる形で表現できているかということ。この2つが成功への大きなポイントかなと思います。

―サイト上での見せ方や打ち出し方に対してアドバイスはされるんですか?

はい。必ず一案件ごとにプロのキュレーターがつき、マンツーマンで壁打ちをしながらページを作っていきます。例えば、職人さんや作り手さんで自分のポートレイト写真を載せようとする方がよくいらっしゃるんですけど、それはもったいないなと思っています。仕事に向き合っている姿のほうが圧倒的にカッコいいと思うんです。あと、機能を紹介する場合は、受け手が「これでいったい何ができるんだろう」「どういう未来が描けるんだろう」ということをしっかり想像できて、体験をイメージできるようになっているか。時にアドバイスさせていただき、時には一緒に頭を悩ませながらページを作り、プロモーション戦略を考える作業をしています。

Makuakeは世の中のアイディアの加速装置。素晴らしいアイディアがお蔵入りしない世界の実現を

―サイバーエージェントグループとしてのMakuakeの立ち位置はどういったところにあるのでしょうか。

サイバーエージェントの既存事業には無い事業領域ですし、僕としては完全な新規事業、独立事業として考えています。しかし、一企業の代表取締役としてどうやったら会社を成長させていけるかということにおいては、AbemaTVで番組をやってみたり、アメブロとの連動を試みたりなど、サイバーエージェントの強みや資産もしっかり活かしながらやっています。

―今後Makuakeを通じて実現したいことや、プライベートも含めたこれからの夢を教えて下さい。

素晴らしいアイディアが決してお蔵入りしない世界を実現したいです。優れたチャレンジが躓き、お蔵入りとなっててしまうことは、日本だけでなく地球レベルで不幸なことだと思っています。それを躓かせず、後押しし加速させていけるような仕組みをもっともっと普及させなくてはいけないと思っていますし、それが僕らのミッションでもあるとも思っています。

おかげさまで、世の中のアイディアの加速装置になっているという感覚はだんだんつかめてきています。もちろん、まだまだ足りないところもあって、例えばMakuakeで成功したプロジェクトが次の展開に乗り出すためのサポートなどは、これから必要になってくるでしょうね。加速装置としての機能を徹底的にブラッシュアップし、その加速をさらに後押ししていくことに努めていきます。

プライベートでは……実は妻がサイバーエージェントの同期入社なんです。僕は今、仕事に励むばかりで、Makuakeを通じて多くのアイディアを支援していますが、そんな私を妻はずっとそばで支え、応援してくれています。でも、旅行にもどこにもぜんぜん連れていってあげられていなくて。どこかのタイミングで世界一周に連れていけるぐらいの時間が作れたらいいですね。

起業を志す人にとって明るい未来の兆しが見えてきている

―起業をしたいと思っても、なかなか前に進めない人もいます。

そうですね。昔は完全にゼロの状態から自己資金で始めるパターンしかなくて、「起業とは会社を辞め、すべてを捨て去ってやるものだ」という極端な価値観があったと思うんですけど、最近は起業の方法がとても多様になってきたと思います。

僕みたいに、大きな企業に在籍しつつイントレプレナーとアントレプレナーの合いの子みたいな形で起業していくパターンもありますね。じつは日本はそこがごっそり抜けている。

これからは、僕のような形で物事を始めていく人が増えるだろうと思うんです。LINEさんなんかもそうで、それでインフラになっていますし、そういう事業はたくさんありますね。今からはもっともっと新しいことを思い切って初められる環境が整っていく時代になるでしょうね。

―クラウドファンディングの市場が成長してきて、志を持った人が起業しやすい空気も生まれてきていますね。

Makuakeの実行者の中にも、会社勤めのかたわら副業のプロダクトをMakuakeで実現し、今ではそれをメインプロダクトとして独立起業した方がいます。チームでプロジェクトを組んで、新しいことをしている人もいます。

大企業の風土も変わってきていると思います。大手商社や家電メーカーで新規事業を提案できる仕組みや社員の起業を後押ししていくような制度ができたという話も聞いていますので、ようやく日本でも、起業を志す人たちにとって多様性に富む明るい未来の兆しが見えてきました。

けれども、それを根付かせるためには、今実際に起業している僕らの世代は「未来は本当に明るいんだ」ということを証明しなくてはいけない。そのために、このMakuakeというプラットフォームがアイディアをカタチにするチャンスの場となるように、支援をしていきたい。これから起業を目指す人のためにも頑張っていかなければいけない。これが今の僕が成し遂げたい想いです。

>>クラウドファンディングの概念に捉われずにさまざまな価値を紐づけたい。中山亮太郎さんの「ターニングポイント」Vol.4

(聞き手:髙橋晃浩 撮影:髙橋明宏)

【この記事を読んだあなたにオススメ】
・SNS 人気Web漫画家が語る「オンラインとの賢い付き合い方」 Vol.4
・【インタビュー】10代天才プログラマー山内奏人さん「個人間決済ビジネス」で自己実現 前編
・FinTech―クラウドファンディングによる自己実現の可能性―
・ビジネスパーソンにあって経営者にない○○力。あなたの人生もこれで変わるかも?