今の消費トレンドは「共感買い」?その理由は消費行動の変化にあり!


現代はさまざまなモノやコトがあふれています。そのため「モノが売れない時代」に生きているともいえるでしょう。内閣府が公表している「消費動向調査」によると2020年1月の消費者態度指数の動きから見た消費者マインドは持ち直しの動きが見られます。しかし依然として財布のひもは固く多くの人は消費に慎重です。

そういった中でも消費のトレンドは変わりつつあります。それが「共感」というキーワードです。消費する際に、その商品の成り立ちや背景に共感できるかどうか」が重視されるようになっているのです。今、消費のトレンドがどのように変わりつつあるのか、具体的な事例を通じて解説します。

消費行動は「AISAS」から「SIPS」へ

消費者の行動を語るうえでかつてよくいわれていたのが「AIDMA」(アイドマ)というキーワードです。AIDMAは以下の頭文字をとった略語になります。

・Attention(認知)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)

消費者がその商品を知ってから購買にいたるまでの心情の変化を表したもので20世紀はこの考え方をベースにマーケティング活動が行われていました。しかしインターネットの登場後、消費者の行動様式は変化してきます。そこで出てきたのが「AISAS」(アイサス)というキーワードです。これは、以下の5つの頭文字をとったものでインターネットを通じて多くの消費者の行動が変わったことを意味しています。

・Attention(認知)
・Interest(関心)
・Search(検索)
・Action(行動)
・Share(共有)

しかし近年では、AISASよりさらに一歩進んだ考え方として「SIPS」(シップス)という言葉があります。SIPSは、以下の4つの頭文字をとったものです。

・Sympathize(共感)
・Identify(確認)
・Participate(参加)
・Share&Spread(共有・拡散)

まず認知するのではなくSNSの投稿などで「共感」をするところから始まっています。Action(購買)ではなくParticipate(参加)であるのがAIDMAやAISASとはまったく異なる点といえるでしょう。これまでの企業からのPush型のマーケティングではなく消費者とともに作り上げるタイプのマーケティング活動に変わりつつあるのです。

ECサイトも「共感型」にシフト?

実際、SIPSをマーケティングに活用する事例というのは増えつつあります。その代表的なものが、リデル社が運営する「FOR SURE」というファッションECです。FOR SUREでは、企業側から顧客に対してマーケティングやプロモーションを行うことはありません。FOR SUREがインフルエンサーを招待し、そのインフルエンサーがサイト内で自身の買った商品を紹介する……それを見て「いいな」と思ったらそこから商品を買うことができる仕組みです。

従来ファッションECは、ランキングや価格などで売れ筋が決まる傾向がありましたがFOR SUREでは、「インフルエンサーに共感を覚えたかどうか」が購買の基準になります。そのためこれまでとは違った売れ方をするようになっており、まさに「共感型」のビジネスモデルを作っているといえるでしょう。

「Makuake」の上場により共感型のビジネスモデルは加速する?

もう一つの共感型ビジネスモデルとして注目を浴びているのが「クラウドファンディング型」のビジネスです。クラウドファンディングは、生産者やプロジェクト実行者が「思い」をユーザーにぶつけるところからビジネスが始まります。その思いが集まって支援という形でお金を集め、生産者やプロジェクト実行者はそのお金を元にビジネスを行い「お礼」という形でユーザーに還元される仕組みです。

クラウドファンディングが成功するかどうかは、そのプロジェクトに「共感できるかどうか」で決まります。こういった共感型のビジネスに理解を示すユーザーは多く、その結果通常のECサイトに比べてリピートするユーザーが多いといわれています。こうしたクラウドファンディング型のビジネスモデルの広がりを象徴しているのがクラウドファンディングビジネスを行う「Makuake」の上場でしょう。

もともとサイバーエージェントの1事業として始まったMakuakeですが、順調にユーザーを増やしており2020年9月期第1四半期で約21億円もの流通総額です。Makuakeのような集客力のあるサイトに人が集まることでより魅力的なプロジェクトが生まれ、さらにそれに共感する人が増え共感型のビジネスモデルがさらに広がっていくことが予想されます。

共感で消費の輪が広がっていく

Makuakeの成長やFOR SUREの取り組みのように、もはや「共感」は、消費を促すうえで欠かせないものになりつつあるといえるでしょう。今後も共感により消費の輪が広がっていくことが予想されます。

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